喪中の相手にお中元を贈ってもいいの？ 自分が喪中のときのマナーも解説

喪中の期間は、故人との関係性によって異なります。

故人が配偶者・親・子などの1親等の場合、喪中の期間は12～13ヶ月。祖父母や兄弟姉妹など、故人から見て自分が2親等の場合は3～6ヶ月です。

喪中は残された家族が悲しみを乗り越え通常の生活へ戻るために必要な期間とされています。気持ちの整理がつくまで一般的な期間よりも長く喪に服しても問題はありません。

家族や親族が亡くなった際に、喪中と混同しやすい期間に忌中があります。忌中は、故人の忌日（亡くなった日）から数えて四十九日または五十日間を指します。その間は外部との接触を避け、身を慎み故人のために祈りをささげながら静かに過ごすのが望ましいとされています。

その後、仏教は四十九日法要、神道は五十日祭を執り行うことで忌明けを迎えます。

喪中の期間中、遺族はお祝い事や派手なイベントを避け、亡くなった故人を偲んで過ごしています。喪中の相手へお中元を贈る場合は相手を尊重したさまざまな気遣いが必要です。

忌中は避ける

喪中にお中元を贈ることに問題はありませんが、故人が亡くなってからの四十九日または五十日の忌中にお中元を贈るのはふさわしくありません。

忌中は故人を偲んで静かに過ごす期間ですが、遺族は法事の準備や行政の手続きなどで忙しい時期でもあります。また、大事な方が亡くなったことに対する気持ちの整理にも多くの時間が必要です。

こうした理由から、喪中の方にお中元を贈る場合は故人が亡くなった直後の忌中は避けるのが望ましいとされています。

さらに、忌日から日の浅い時期の贈り物は香典と勘違いされる可能性もあるため、時期をずらしたほうがよいと考えられています。日頃の感謝を伝えたいのであれば、相手の気持ちに配慮して忌が明けてから暑中見舞いや残暑見舞いとして贈ってみてはいかがでしょうか。

のしや紅白の水引を使用しない

喪中にお中元を贈る際に注意したいのが、のしや水引の種類です。

通常のお中元ではのしがついた紅白蝶結びのかけ紙を使用しますが、喪中に贈るお中元に同じのし紙を使うのはマナーに反します。

喪中にお中元を贈る場合は、のし紙ではなく白無地の奉書紙や短冊などに『お中元』または『御中元』と表書きを入れます。

水引の色は宗派や地域によって異なります。多くの地域では黒白の水引を使用しますが、関西の法要では黄白が一般的です。現在は使用する地域は減りましたが、青白の水引を使用する場合もあります。

暑中見舞いや残暑見舞いなども同様に、喪中に贈るときは紅白のしは使用せず、白無地の奉書紙か短冊に適切な表書きを入れて贈りましょう。

お中元に掛けるのしについて、詳しくはこちらのページで解説しています。

故人宛には贈らない

故人宛にお中元を贈るのは失礼に当たります。宛先には十分注意しましょう。仮に、生前に親しかった相手でも亡くなった時点で縁が切れたと考えられるため、故人のみと付き合いがあった場合、お中元を贈る必要はなくなります。

反対に、故人以外の家族とも付き合いがあった場合は、家族の名前でお中元を贈ることも可能です。

お祝いの言葉を使用しない

お中元を贈る際は、品物と一緒に挨拶状を贈ります。しかし、喪中にお中元を贈る際は、挨拶状の文面に「お慶び申し上げます」といったお祝いの言葉を入れないように注意が必要です。

お祝いの言葉の代わりに、相手の体調を気遣う言葉を添えるのが好ましいです。また、自分が喪中の場合は、お供えや葬儀への参加のお礼を伝えるのもよいでしょう。

相手が喪中であれば、相手の悲しみを誘うような故人の思い出話や行き過ぎた気遣いの言葉は避けるのが望ましいです。「ますます」や「たびたび」などの重ね言葉も喪中の相手へかける言葉としてふさわしくないとされています。挨拶状には相手に配慮した言葉を選んで記載することが大切です。

お中元の挨拶状については、こちらで詳しく解説しています。

華やかな贈り物を選ばない

喪中にお中元を贈る際、紅白で華やかな品物やお祝いを連想させる品物は避けましょう。例えば、普段のお中元と同じようにハンカチや刃物、履物などネガティブな意味を連想させる品物もおすすめしません。

相手が喪中の場合、お供え物として多くの品物を受け取っている可能性があります。お中元の品物選びで迷ったら長期保存がきく食べ物や日常的に使いやすい日用品などを選ぶのがおすすめです。

自分が喪中でもお中元を贈ったり、受け取ったりすることは問題ありません。ただし、喪中という状況のため、お中元を贈る際の対応に迷ってしまう場面もあるはずです。喪中にお中元を贈るときは、普段のお中元と違い、相手の気持ちを考えて対応することが大切です。

ここでは、喪中にお中元を贈る場合と受け取る場合の対応方法を解説します。

お中元を贈る際の対応

自分が喪中の場合、相手に不幸があったわけではないため、通常通りお中元を贈ることに問題はありません。

ただし、喪中の方から受け取るお中元を「縁起がよくない」と感じる方もいるため、贈る際は相手への配慮が必要です。

また、状況によっては、故人が亡くなってから気持ちの整理がつかず、お中元の用意すら難しいと感じることもあるかもしれません。無理にお中元を贈ろうとせずに、時期を遅らせて残暑見舞いや秋のご挨拶という形で品物を贈るのも一つの方法です。

お中元を受け取った際の対応

喪中にお中元を受け取った場合は、通常のお中元と同様に3日以内にお礼状を送り、相手に感謝を伝えるようにしましょう。親しい間柄の相手には電話やメールでお礼を伝えても問題ありません。お中元をくれた相手が葬儀に参列していた場合は、一言お礼を添えるとより丁寧です。

また、自分が喪中であることを相手が知らずにお中元を贈っていることもあります。そのようなときは、お礼状に自分が喪中であることや葬儀に関することを記載する必要はありません。

そして、万が一、故人宛にお中元が届いてしまった場合、故人が亡くなったことを送り主が知らない可能性もあります。このような場合には、故人が亡くなった旨と連絡ができていなかったことへのお詫びをお礼状に書くことをおすすめします。

なお、お返しをする際はお礼状とともに同額程度の品物を用意することで、より丁寧な対応になります。

お中元のお返しやお礼状についての詳細は、こちらのページで解説しています。

故人宛には贈らない

故人宛にお中元を贈るのは失礼に当たります。宛先には十分注意しましょう。仮に、生前に親しかった相手でも亡くなった時点で縁が切れたと考えられるため、故人のみと付き合いがあった場合、お中元を贈る必要はなくなります。

反対に、故人以外の家族とも付き合いがあった場合は、家族の名前でお中元を贈ることも可能です。

喪中のマナーを守って心をこめたお中元を贈ろう

お中元を贈る際は、品物と一緒に挨拶状を贈ります。しかし、喪中にお中元を贈る際は、挨拶状の文面に「お慶び申し上げます」といったお祝いの言葉を入れないように注意が必要です。

お祝いの言葉の代わりに、相手の体調を気遣う言葉を添えるのが好ましいです。また、自分が喪中の場合は、お供えや葬儀への参加のお礼を伝えるのもよいでしょう。

相手が喪中であれば、相手の悲しみを誘うような故人の思い出話や行き過ぎた気遣いの言葉は避けるのが望ましいです。「ますます」や「たびたび」などの重ね言葉も喪中の相手へかける言葉としてふさわしくないとされています。挨拶状には相手に配慮した言葉を選んで記載することが大切です。

お中元の挨拶状については、こちらで詳しく解説しています。

華やかな贈り物を選ばない

喪中であっても、日頃からお世話になっている方へお中元を贈ったり、受け取ったりすることはできます。ただし、忌中の期間を避けることや、のしを使用しないこと、故人宛の贈り物は避けることなど、マナーを守ることが大切です。

日頃からお世話になっている方が喪中の場合、相手の心情を尊重したうえで、故人の話題や重ね言葉を避けて配慮のある言葉選びをすることが求められます。喪中のマナーを守りつつ、お中元で感謝の気持ちを伝えましょう。