お中元

2024.03.05

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お中元とは? 由来から贈る際のマナーまで徹底解説

日本の夏のご挨拶としてすっかり定着している『お中元』。「なんとなく理解しているけれど、マナーや渡すタイミングなどの知識には自信がない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、起源や意味、マナーや渡すタイミングなど、お中元にまつわるさまざまなな項目について解説します。「お中元を贈る際のマナーを知りたい」「どんな物を贈ればいいのか知りたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

お中元とは

お中元とは、日頃お世話になっている方々へ感謝の気持ちを込めた品物を贈る夏のご挨拶です。

もともと目下の方から目上の方へ贈るのが通例でしたが、現代では上下の関係を問わず誰に贈り物をしてもよい習慣となっています。お中元を贈る時期は地域により異なります。

お中元の起源と由来

お中元は、中国における道教の『三元』という習わしがその起源であるとされています。『三元』とは、以下の3日のことをいいます。

  • 上元:1月15日
  • 中元:7月15日
  • 下元:10月15日

これらの日になると信徒たちは、神事や火焚き、近隣の方たちへの贈答などを行っていました。

三元のなかの『中元』と、仏教の『盂蘭盆会(うらぼんえ)』で親しい方に品物を贈る行事が混合するかたちで日本に伝わり、お中元という贈答習慣が始まったとされています。

誰に贈る? お中元を贈る相手

お中元は、1年のちょうど真ん中を過ぎた時期に日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを込めてする贈り物です。一般的にお中元を贈る相手は、以下のような間柄の方です。

  • 会社の同僚・上司
  • 取引先
  • 恩師
  • 親族・義実家 など

ただし、相手が公務員や会社の規定で受け取ることのできない相手には、贈らないよう配慮することが大切です。
詳しくはこちらのページで解説しています。

お中元とお歳暮の違い

お世話になった方々に向けて、感謝と季節のご挨拶を贈る習慣といえば、お中元のほかに『お歳暮』も思い浮かびます。

お中元とお歳暮の違い
お中元
7月中旬から8月中旬
上半期の感謝を伝えるために贈る
お歳暮
12月中旬から下旬
1年の締めくくりに感謝の気持ちを込めて贈る

お中元・お歳暮の価格の相場は3,000~1万円程度ですが、お中元とお歳暮を両方贈る場合には、お歳暮に比べお中元のほうが少し価格の低い贈り物を選ぶのが通例です。

詳しくはこちらのページで解説しています。

お中元を贈る時期

お中元を贈る時期は、東日本と西日本で大きく分けられます。

  • 東日本:7月1~7月15日
  • 西日本:7月15日~8月15日

ただし、地域により大きく異なる場合もあるため、相手の住む地域に合わせて手配することが必要です。

地域別のお中元の時期

地域

お中元の時期

関東・東北
7月1~15日頃
北陸
金沢を含む都市部 7月1~15日頃
能登を含む一部地域では7月15日~8月15日が一般的
北海道・関西・東海・中国・四国
7月15日~8月15日頃
九州
8月1~15日頃
沖縄
旧暦の7月13~15日
旧暦に基づくため毎年異なる

特に、沖縄では旧暦でお中元を贈る習慣があるため、相手が沖縄に住んでいる場合にはしっかりと下調べをしておくことが重要です。配送の場合は、混雑による遅延を避けるために早めにお中元を手配し、6月下旬から7月中旬を目安に配送するのが望ましいといえます。

詳しくはこちらのページで解説しています。

お中元の費用相場

お中元の費用は一般的に1つあたり3,000~5,000円が相場といわれます。しかし、これはあくまで目安であり、贈る相手との関係性によってかける金額も変わってきます。

特にお世話になった方には1万円以上の品物を贈ることがあってもよいですが、相手に気を遣わせたり、相手がひどく恐縮してしまうようなお中元は避けましょう。お中元は毎年繰り返し贈るものであるため、相手にとっても自分にとっても負担にならない金額の範囲で選ぶことが大切です。

間柄

目安

親戚
3,000~5,000円程度
職場の上司
5,000円程度
取引先
5,000~1万円程度
友人・知人
3,000円程度
習い事の先生
3,000~5,000円程度
特別お世話になった方
5,000~1万円程度

詳しくはこちらのページで解説しています。

仕事でお中元を贈る際の勘定科目

お中元を取引先に贈る場合、この費用に対する勘定科目は基本的に『接待交際費』に該当します。場合によっては『広告宣伝費』として計上することもできます。

しかし、お中元ならば何でも経費として計上できるわけではなく、贈る相手や品物によってお中元が勘定目として認められないケースもあります。

お中元の勘定科目

接待交通費

お世話になっている取引先に贈る場合はこの勘定科目が適用されます。品物代だけでなく、送料や直接訪問して手渡しした際にかかった交通費も接待交通費として計上できます。

広告宣伝費

会社名入りの品物やノベルティグッズを贈る場合にかかる費用は広告宣伝費として計上できます。

お中元が勘定科目として認められないケース

個人的な付き合いの友人・知人、家族などへのお中元

税務署からの指摘が入るリスクの高い贈答品

  • 換金性の高い品物(プリペイドカード、商品券、ビール券など)
  • 1万円以上の高価な品物

詳しくはこちらのページで解説しています。

お中元のマナー

お中元を贈る際や受け取る際にはさまざまなマナーがあります。相手に不快な思いをさせないために、マナーをしっかり押さえておくことが大切です。

ここからは、お中元の渡し方や贈り物の選び方などのマナーを紹介します。ただし、ここで紹介するマナーは諸説あり、地域性や各家の伝統により異なる場合があります。

初盆にはお供え物として贈る

故人が亡くなって初めて迎えるお盆のことを『初盆』といいます。初盆は全国的に8月15日前後、旧暦では7月15日前後に行われます。これまでお中元を贈ってきた方が故人となり、初盆を迎えた場合は、以下の点に留意して贈るのがより好ましいマナーとされます。

  • お盆の時期にお供え物として贈るようにする
  • 贈り物の表書きは「お中元」でなく「御供物」とする
  • 故人宛ではなく、家族の方に宛てて贈る

詳しくはこちらのページで解説しています。

できるだけ手渡しする

お中元は手渡しするのが望ましく、正式なマナーとされています。しかし、贈りたい相手が遠方に住んでいて直接手渡しするのが難しかったり、時間の調整がつかなかったりする場合は、郵便や宅配便で送るケースもあります。

お中元を手渡しする際のマナー

  • 事前に連絡をして訪問日時を調整・確認する
  • 目上の方への手渡しは事前に手紙を出してその旨を知らせておく
  • 早朝、お昼時、夕方以降の訪問は避ける
  • 相手に表書きが分かるように外のし(熨斗)で渡す

お中元を発送する際のマナー

  • 事前に到着日時・品物などを相手にお知らせする挨拶状を送る
  • 日頃の感謝の気持ちを伝える手紙を添える
  • 配送時にのし紙が傷まないように内のしにする

詳しくはこちらのページで解説しています。

また、挨拶状の詳細は以下をご覧ください。

相手の好みをリサーチしておく

事前のリサーチをしっかり行うことで、より相手に喜んでもらいやすく、かつ感謝の気持ちが伝わりやすい贈り物を選択できます。

また、お酒が飲めない方にお酒を贈ったり、アレルギーを持っている方へ該当の品物を贈ってしまったりするのを避けるためにも、相手の好みを把握しておくことが大切です。

贈り物を選ぶ際は、以下を確認したうえで品物を選びましょう。

  • 相手の好むもの
  • 相手の苦手なもの
  • 家族構成

のしを付ける

お中元を贈る際はのしを付けるのがマナーです。元来、のしは薄く削いだアワビの肉を干して棒状にし、紙で包んだものを表します。縁起物として慶事の贈り物に添えられています。

現代では、実物ののしが簡略化され、紙で作られたものや、のしが印刷されたのし紙を使用することが一般的です。

また、のしは『水引』と呼ばれる紅白の飾りひもと一緒に使われるケースが大半です。以下ではのしを付ける際の表書きと、のしを使用しないケースについてまとめています。

表書き
  • 相手の住む地域で一般的な御中元の時期に贈る場合:『お中元』または『御中元』と表記する
  • お中元の時期を外れた場合:立秋頃なら『暑中見舞い』や『暑中伺い』、立秋を過ぎたら『残暑見舞い』や『残暑伺い』と表記する
  • 贈る時期が相手の初盆と重なる場合:のしや紅白の水引を使用せず『御供え物』と表記する。※地域差があるため注意が必要
のしを付けるべきではない贈り物
  • 贈り物が生もの(お肉や魚介類、それらを用いた加工品)の場合:のしの付いていない水引がついたかけ紙を使用する
  • リボンのかけられた贈り物:のしを付ける場合はリボンを外す
  • 贈る側、受け取る側のどちらかが喪中の場合:水引やのしが印刷されていない白無地を使用する

お中元ののしの詳細はこちらのページで解説しています。

縁起の悪い贈り物は避ける

贈り物を選ぶ際は、そのものの縁起や持つ意味についても気を付ける必要があります。一般的に縁起が悪いとされるものは、贈るのを控えたほうがよいとされています。以下では、避けた方がよいとされる品物と理由についてまとめました。

避けたほうがよい品物と理由

品物

理由

刃物
縁を『切る』という意味を持つ
贈り物にふさわしくない品物の代表格
ハンカチ
漢字で『手巾』と書き、『手切れ』や『縁切り』を連想させるため
くし
く=『苦』、し=『死』を連想させるため
履物
相手を踏みつけることを連想させるため
衣類
特に肌着や下着は「着るものに困っていて、施しで贈った」と
捉えられる可能性があるため
筆記用具や時計
「一生懸命働きなさい」という意味があるため、贈る際には注意が必要
金券・商品券
『お金を施す振る舞い』とみなされるため
特に目上の方へは不快感を与える可能性がある
花言葉に注意して贈る必要がある

お中元を贈る際は相手の好みに合わせつつ、これらの品物に注意して選定しましょう。

お礼状を送る

お中元を受け取ったら、お礼状を送るのが最低限のマナーです。贈り主にはなるべく早く感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

お礼状には無事に品物が届いた旨を知らせる役目もあります。お互いにお中元を贈りあった場合にもお礼状を贈ることがマナーとされています。

お礼状を書くときのポイント
  • お中元を受け取ったらなるべく早く出す
  • 感謝の気持ちをしっかり伝える文面にする

お礼状の詳細はこちらのページで解説しています。

喪中のときの対応

お中元は日頃の感謝を示す品物であり、お祝い物ではありません。そのため、贈る側、受け取る側のどちらかが喪中の場合でもお中元を贈ることは問題ありません。ただし、喪中にお中元を贈る場合にもマナーがあります。

相手が喪中のとき
  • のしや紅白の水引が入った慶事用の包装をせず、白無地に奉書紙と黒白の水引を使用する
  • 忌中(四十九日法要を迎えるまでの期間)の場合、喪に服している相手のことを配慮して暑中お見舞いや残暑お見舞いなど、時期をずらして贈る
自分自身が喪中のとき
  • 例年どおりお中元を贈って問題ない
  • 気持ちに整理がつかない場合や、相手にかえって気遣いをさせたりする恐れがある場合は、時期をずらして暑中見舞いや暑中見舞いなどにしてもよい

喪中にお中元を贈る際の詳細はこちらのページで解説しています。

お中元のタイミングを逃してしまったときの対処法

さまざまな理由により、お中元のタイミングを逃してしまった場合は、表書きを変えて贈ることができます。夏の間に贈るのであれば、『暑中見舞い』や『残暑見舞い』とするのも一つの手段です。

暑中
見舞い
梅雨明け~立秋
残暑
見舞い
秋~8月31日
地域によってお中元を贈るのに適した時期が異なるため、
相手の住む地域なども確認しておく必要がある

また、どうしても夏の間に贈るのが難しい場合には、12月まで待ち、『お歳暮』として贈ることもできます。

お中元と暑中見舞いの詳細はこちらのページで解説しています。

お中元のお返しは必要?

お中元を受け取ったからといって、必ずしもお返しをする必要はありません。どうしてもお返しをしないと気持ちがすっきりしないという方は、マナーを守ってお返しをしましょう。

お中元シーズンのうちにお返しの品物を贈ることができればベストですが、「少し遅くなってもじっくり選びたい」という方は、『暑中見舞い』や『残暑見舞い』など時期に合わせた表書きをして贈ることができます。

また、相手との関係によっても異なりますが、お中元のお返しは受け取った品物と同額かそれより安い品物を贈るのが一般的です。例えば、5,000円程度の品物を受け取った場合は3,000円程度の品物をお返しするのがよいとされています。

お中元のお返しの詳細はこちらのページで解説しています。

お中元の断り方

疎遠になっていることや、会社の規定によってお中元を断りたいというケースもあります。既に贈られたお中元の受け取りを拒否することは難しいため、次回から受け取れない旨を伝えるようにします。お中元の断り方として主な3つの方法を紹介します。

お礼状や電話で伝える

感謝の言葉とともに「次回以降はお気遣いなさいませんようお願い申し上げます」といった言葉でお断りの旨を伝えるようにします。
また、相手に関係を断ちたいという意図を感じさせないために「今後とも変わらずお付き合いをお願いいたします」といった言葉を添えます。

受け取ったお中元よりも高価な品物を贈る

前回お断りしたがまた贈られてきた場合には、お中元という名目ではなく『御礼』という名目で受け取った品物よりも高額な品物を贈るという断り方があります。このとき、「今後お中元はご遠慮願います」といった文面を含めたお礼状を出すようにします。

受け取った品物を返送する

贈られてきた品物の包装を開けず、上から包装を重ねて返送します。このとき、お礼状には品物を受け取ることができない旨の文面を添えるようにします。

お中元はどこで買う?

お中元の主な購入場所としては、百貨店やデパート、スーパーの専用コーナーなどが挙げられます。また、お店に行かずに手軽にお中元の手配をしたいという場合はオンラインショップやカタログを利用できます。お中元を購入する場所と特徴は以下のとおりです。

百貨店・デパート

お中元に適した品物が多数揃えられており、お中元の購入場所として一般的です。のしの掛け方やマナーなどに詳しいスタッフが在中し、贈り方の相談などにも乗ってくれる店舗もあります。

総合スーパー

お中元シーズンに合わせて専用コーナーを設置しているところもあり、普段の買い物の延長でお中元の手配ができます。利用者も多いですが、品ぞろえには限りがあります。

オンラインショップ

店舗に行かず、自宅で多種多様な品物を選ぶことができます。配送手配も可能なため、気軽に利用しやすいのが特徴です。

カタログでの申し込み

郵便局やコンビニなどに置いてあるカタログからお中元を選べるサービスです。オンラインショップ同様、店舗に行く手間が省けるため多くの方が利用しています。

何を贈る? お中元におすすめの贈り物

お中元を贈る時期は7~8月のとても暑い時期です。そのため、涼を感じられるような品物や日持ちする品物を贈るのがおすすめです。あるいは、夏バテを防いでくれるスタミナのある食べ物も候補の一つです。

以下にお中元におすすめの贈り物をカテゴリ別に紹介します。

スイーツ・お菓子

お中元に贈る商品として、美味しいスイーツやお菓子はやはり人気があります。ゼリーやアイスクリームなどは暑い季節に涼を届けることができる人気の品物です。

また、マドレーヌやフィナンシェ、クッキーなどの焼き菓子は日持ちもしやすいため、おすすめです。

魚介類・水産加工品

食卓を彩る海鮮類や水産加工品もお中元に人気の品物の一つです。暑さに負けず、スタミナをつけられるうなぎのパック詰めや、常温での保管が可能なサバの缶詰などが好んで選ばれます。

特にお世話になっている方へのお中元には、ウニやイクラなど、少し値の張る品物を選ぶのもおすすめします。

精肉・肉加工品

精肉・肉加工品は家族が多い方へおすすめの一品です。

BBQ用のお肉やステーキ、ハム、ソーセージ、ハンバーグなど、家族みんなで喜んで楽しめるのが人気の理由です。自分で買うには少し躊躇(ちゅうちょ)してしまうようなお肉や肉加工品の詰め合わせは相手にもきっと喜んでもらえるはずです。

和菓子

和菓子もお中元の贈り物として根強い人気があります。

夏に人気の水まんじゅうやわらび餅のほかにも、常温で保管することのできるようかんやどら焼き、おせんべいなどはお中元の定番商品です。また、オンラインで購入すれば、地方に住む方に東京で人気の和菓子店や老舗の名店の和菓子を贈ることもできます。

果物・フルーツ

夏が旬の果物やフルーツは、体に優しくおいしいだけではなく、存在感のある贈り物です。詰め合わせにすれば、華やかな見た目になるのもおすすめの理由の一つです。

マスクメロンやスイカも定番ですが、バナナ、マンゴーなど南国のフルーツを贈れば、より一層夏を楽しんでもらえるはずです。

ビール・お酒・ワイン

贈る相手がお酒好きの方であれば、アルコール類を選択肢の一つとするのもおすすめです。

特に、ビールや発泡酒はお中元の贈り物の定番商品となっており、根強い人気があります。そのほか、地方で人気の地ビールや地ワインなどを贈るのもおすすめです。

お世話になった方にお中元で感謝を伝えよう

お世話になった方にお中元を贈ることで、これまでの感謝の気持ちや、相手の健康を祈る気持ちを伝えることができます。

一方で、感謝の気持ちを伝えるためには、マナーへの理解・知識が必要であるということも贈る際に念頭に置いておく必要があります。お中元を贈ることで、かえって不快な印象を相手に与えてしまうという残念な事態は何としても回避しなくてはなりません。 お中元を選ぶ際のポイント、贈る時期などお中元にまつわる知識をしっかり押さえ、お世話になった方々へしっかり喜んでいただきましょう。

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