お中元をもらったらお返しは必要？ お返しのマナーを解説

お中元のお返しをする際はいくつかマナーがあります。基本的にお返しは不要ですが、遠方に住んでいて日頃から気にかけている親戚やお世話になっている取引先などからのお中元に対して、感謝の気持ちを伝えたい場合はお返しをしても問題ありません。

お返しのマナーを守ることで、今後に向けてより一層お互いが気持ちよくお付き合いできる関係へとつながります。お返しをする際は贈るタイミング・金額・のしの種類など細かい部分にも気を配ることが大切です。

次に、お中元にお返しする際に気をつけたい3つの注意点についてそれぞれ解説します。

1.お返しはいつまでに贈る？

お返しのタイミングに明確なルールはありませんが、お中元を受け取ってから1週間程度空けて贈るのが一般的です。

例えば7月15日にお中元を受け取った場合、お返しは7月22日あたりに贈るのが理想的です。あまりにお返しが早いと「お中元を贈ったことで気を使わせてしまったのではないか」と、かえって相手が心配してしまう可能性があります。

すぐに感謝を伝えたいという場合は、お中元を受け取ったら3日以内を目安にお礼状を送ることをおすすめします。

お返しの品物を、お中元の期間内に贈ることができたらよいですが、難しい場合は暑中見舞いや残暑見舞いの時期になっても問題はありません。

2.お返しの金額はどのくらい？

お中元のお返しは、受け取った品物と同額程度の品物もしくは「半返し」といった半額程度の品物を贈るのが一般的です。

お中元の相場は一般的に3,000～5,000円のため、3,000円の品物に半返しでお返しをする場合は1,500円ほどの品物を贈ります。相手が親しい間柄であれば同額程度の品物で問題ありません。目上の人や目下など同等でない以外の関係性の場合は、受け取った品物の金額よりも低い品物でお返しをするのが望ましいといえます。

相手との関係性によってお返しの金額は変わりますが、受け取った品物より高額の品物でお返しをすると相手への負担になることがあります。また「次回からお中元は結構です。」という意味に捉えられることもあるため、注意が必要です。

お中元を次回からお断りしたいという場合は、受け取ったお中元と同額程度か高額のものを贈り、「お気遣いなく」のひとことをお礼状で添えて、こちらの気持ちを伝えることをおすすめします。

お中元の費用相場に関する詳細はこちらのページで解説しています。

3.お返しをする際にのしは付ける？

お中元のお返しには、贈るタイミングに合わせたのし紙を付けます。

のしの表書きは「お中元」もしくは「御中元」と入れ、お中元の時期を過ぎたら、例年の立秋までは「暑中御見舞」、立秋の後は「残暑御見舞」と入れます。

ただし、「御見舞」という言葉は目下の人に対して使う言葉のため、目上の人へのお返しは表書きに「暑中御伺い」「残暑御伺い」「御礼」と入れます。

※お中元の時期は関東では7月上旬～中旬、関西では7月中旬～8月中旬、他の場所でも地域によって差があります。

のしをかけずにお返しをする場合もありますが、のしが無いと何の贈り物か分からず相手を困惑させてしまい、失礼に当たるため、時期に合わせたのし紙をかけて贈るのが好ましいといえます。

お返しをする際は、お中元を贈るときと同様に挨拶状を添えて贈ります。品物より先にお礼状を出している場合は、同封する挨拶状にお礼を書く必要はありません。

詳しくはこちらのページで解説しています。

相手の職業によってお返しを控えたほうがよい場合もあります。

公立学校の教師や政治家など公務員が利害関係から金銭や物品の贈与を受け取ることは禁止されています。

また、一般企業でも会社としてトラブル防止のため、お中元等のやりとりを禁止しているところもあります。贈りたい相手にお返しの受け取り日程の相談や連絡をするなど、事前にお中元のお返しの受け取り可否について話を聞くのも一つの方法です。

お中元のお返しを受け取ることができない立場の方にとっては、お返しを贈られることが負担になってしまう可能性があります。トラブル防止のためにも事前に確認して相手の迷惑にならないよう注意が必要です。

お中元のお返しをしない場合でもお礼状を送るのがマナーです。親しい相手なら電話やメールなどでお礼を伝える方法もありますが、本来は直筆で書いたお礼状をできるだけ早く送ることで相手にお礼を伝えるのが礼儀とされています。

時代の変化に伴って、電話でのお礼も受け入れられる傾向にありますが、手書きの文字には温かさがあり感謝の気持ちが伝わりやすい特徴があります。

お礼状は、親しい間柄であればハガキでも構いませんが、目上の方や仕事で関わりのある方へはハガキを避けて封書で送ることが望ましいです。電話やメールでお礼を伝える場合は、品物を受け取った当日中には連絡をするのが理想的です。

相手にお礼を伝えることは受け取った感謝の気持ちを伝えるのはもちろんのこと、「お中元が無事に届きました」という報告にもなります。そのため、できるだけ早く相手に伝えることが大切です。お中元の品物を受け取ってから遅くとも3日以内には出すようにしましょう。

お中元の御礼状の詳細はこちらのページで解説しています。

お中元をもらったらお返しやお礼状で感謝の気持ちを示そう

お中元を受け取ったらお返しをする、しないに関わらず、できるだけ早くお礼の気持ちを伝えることがマナーです。品物でお中元のお返しをする場合は、贈るタイミングや金額、のしの付け方に注意が必要です。

今後もお互いに気持ちのよいお付き合いができるように、基本的なマナーを押さえてお返しやお礼状で感謝の気持ちを伝えましょう。