お中元

2024.03.05

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お中元には挨拶状を添える? 送り状と添え状の違いや書き方を解説

お中元の季節が近づくと、どのように感謝の気持ちを表現すればよいのか迷うことはありませんか。
お中元を贈るときは品物だけでなく挨拶状を用意するのがマナーとされています。
この記事では、送り状と添え状の違いやお中元の挨拶状の書き方を解説します。

お中元に関する概要やマナーについては、こちらも参考にしてみてください。

お中元の挨拶状とは

挨拶状とは、お中元を贈る際に相手へ向けて送る書状のことです。
お中元は、お世話になっている方に対して日頃の感謝の気持ちを込めて品物を贈ります。
相手に直接会って感謝を伝えつつ手渡しすることが本来のマナーとされています。

しかし、お互い離れたところに住んでいたり、先方が忙しく都合がつかなかったりして直接渡すことが難しい場合もあります。
そのような背景もあり、近年はオンラインストアで注文したり、購入店の配送サービスを利用したりする方法が主流になりつつあります。直接会って感謝の気持ちを伝えられない場合には、挨拶状に想いを込めて伝えることが大切です。

送り状と添え状の違い

挨拶状には、送り状と添え状の2種類があります。
どちらも贈る相手への日頃の感謝や健康を気遣う内容を書きますが、それぞれ送付するタイミングや内容が異なります。
それぞれの違いを理解し、適切な内容で適切な時期に送ることが重要です。

送り状を送るタイミングと内容

送り状は、品物とは別に手配する手紙です。相手に対してお中元がいつ頃届くかを伝え、確実に受け取ってもらうための役割を持ちます。
送るタイミングの目安はお中元が届く2~3日前です。
送り状には以下のような内容を記載します。

送り状の内容

  • お世話になっていることへの感謝
  • 相手の健康を気遣う言葉
  • 相手から希望がない限り早朝・夜間の訪問は控える
  • お中元が届く日時

地域によってお中元の時期は異なるため、送り状を送る時期にも注意が必要です。
お中元に同梱する添え状もありますが、事前に送り状を送るほうがより丁寧な対応だと考えられます。

お中元の時期についてはこちらのページで詳しく解説しています。

添え状を送るタイミングと内容

添え状は、品物と一緒に渡す手紙です。
添え状を送るタイミングは、相手を訪問して直接お中元を手渡しするとき、またはお中元を配送するときです。
添え状には以下のような内容を記載します。

添え状の内容

  • お世話になっていることへの感謝
  • 相手の健康を気遣う言葉

添え状は、送り状と異なり品物と一緒に渡すため、お中元がいつ頃届くかを知らせる内容は必要ありません。
一般的にデパートや百貨店では添え状を同梱してくれることが多いですが、事前に確認しておくと安心です。添え状は封をすると信書扱いとなり、宅配便で送ることができないため、無封にしておきましょう。

お中元の挨拶状の書き方と構成

挨拶状はある程度書き方が決まっているため、基本的な構成を知っておけば悩まずに書けます。
相手に対して一方的な内容にならないように注意しましょう。

また、お中元は季節の挨拶に当たるため、送り状に時候の挨拶を入れる必要があります。
親しい相手に贈る場合はあまり気負わず、自分らしく感謝を伝えることが大切です。

挨拶状の基本的な構成

  1. 頭語・時候の挨拶
  2. 相手の健康を気遣う一文
  3. 日頃の感謝を伝える言葉
  4. お中元が届く時期についての言葉(送り状のみ)
  5. 相手の気遣いと今後のお付き合いのお願い・結語

1.頭語・時候の挨拶

最初に頭語と時候の挨拶を記載します。
頭語は挨拶状の初めに書く決まった言葉で、挨拶の代わりのような役割を担います。
頭語と結語は組み合わせられる語が決まっています。

頭語・結語の例

使用するケース

頭語

結語

一般的な手紙
拝啓、拝呈、啓上
敬具、拝具、敬白
より丁寧な手紙
謹啓、謹呈
謹言、謹白
前文を省略する手紙
前略
草々
使用するケース 頭語 結語
一般的な手紙 拝啓、拝呈、啓上 敬具、拝具、敬白
より丁寧な手紙 謹啓、謹呈 謹言、謹白
前文を省略する手紙 前略 草々

時候の挨拶は、頭語に続いて書く季節を表す一言です。
7月・8月でそれぞれ挨拶が異なるため、以下を参考にしてみてください。

時候の挨拶の例

時候の挨拶

7月
「暑中見舞い申し上げます」、「猛暑の候」、「厳しい暑さが続きますが」
8月
「晩夏の候」、「猛暑の候」、「甚だしく暑い時期ですが」

2.相手の健康を気遣う一文

時候の挨拶の次は、相手の近況を尋ねる文章を入れます。
特に厳しい暑さの季節に送る書状のため、体調を気遣う言葉を添えましょう。

また、取引先や目上の方へ送る挨拶状ではくだけた表現は避け、ビジネスシーンにふさわしい文面にする必要があります。
反対に、親しい関係であればあまりかしこまらず、話しかけるような文章でも問題ありません。例として以下のような文章が挙げられます。

ビジネスの相手

○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

親しい相手

暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

2.相手の健康を気遣う一文

続いて、日頃お世話になっていることに対するお礼を伝えます。

取引先や目上の方へは、仕事に関係する内容を書くことが多いです。
親しい関係であれば近況報告を盛り込んだ文章にするのもおすすめです。

また、長らく会うことができていない相手への挨拶状であれば、ご無沙汰していることへのお詫びの言葉を添えるのが望ましいです。
日頃の感謝を表す文例は以下のとおりです。

ビジネスの相手

日頃は公私にわたり、ご指導、お力添えをいただき誠にありがとうございます。

親しい相手

いつも我が家のことを気にかけてくださり、ありがとうございます。

長らく会っていない相手

久しくご無沙汰いたしまして申し訳ございません。

4.お中元が届く時期についての言葉(送り状のみ)

送り状の場合、お中元を発送した旨を伝え、到着の具体的な日時がわかる場合は記載しておきます。
また、品物を選んだ理由について書き記すのが望ましいとされます。

お中元が届く時期に関する文例

日頃の感謝のしるしまでに、ささやかではありますが、お中元の品をお送りいたしました。
○月○日に到着するよう手配させていただきました。

5.相手の気遣いと今後のお付き合いのお願い・結語

最後に、相手の健康を気遣う言葉を添えつつ、今後のお付き合いに対するお願いの一文を添えましょう。

文例

暑さ厳しき折から、○○様のご自愛をお祈り申し上げます。

結語は前述のとおり、文末に記載する挨拶の代わりとなる言葉で、頭語と対になるものを使用します。
組み合わせについては頭語・時候の挨拶を参考にしてみてください。

お中元の挨拶状の文例

挨拶状は構成を理解していても、頭語・結語や時候の挨拶など、普段の生活では使い慣れない言葉を使用しなければならないため、書くのに苦労することも多いです。
ここでは、基本的な挨拶状の構成を踏まえて送る相手別に文例を紹介します。自分で挨拶状を書く際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

上司や目上の方へ送る場合

上司や恩師など、日頃お世話になっている目上の方へお中元を贈る際、次のような文例を参考に挨拶状を書いてみてください。

上司や目上の方へ向けた挨拶状の文例

○○様
拝啓
厳暑の候、○○様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃から暖かいご指導、お力添えを賜り、心より御礼申し上げます。
つきましては、お中元のおしるしまでに別便で○○をお送りいたしました。
○○より○月○日頃に届くかと存じますので、ご笑納くださいますようお願い申し上げます。
今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
時節柄、どうかお身体の具合を崩されませぬようご自愛ください。
本来ならばお伺いするべきところ、略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
敬具

○年○月○日
氏名

取引先へ送る場合

取引先へお中元を送る際の挨拶状の文例は、以下のとおりです。
今回は、取引先の会社全体に向けた挨拶状の文例を紹介します。

取引先へ向けた挨拶状の文例

○○株式会社 御中
謹啓
猛暑の候、貴社につきましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てにあずかり、厚く御礼申し上げます。
つきましては、日頃の感謝のおしるしまでに、本日○○を別便にてお送りいたしました。
ささやかな品ではございますが、お受け取りいただければ幸いです。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
略儀ではありますが、書中をもちましてお中元の挨拶を申し上げます。
謹白

○年○月○日
会社名

親しい方へ送る場合

親しい方へお中元を贈る際は、あまりかしこまりすぎないように挨拶文を書きましょう。
以下の文例を参考に親しい方への挨拶状を考えてみてください。

親しい方へ向けた挨拶状の文例

○○様
連日厳しい暑さが続いておりますが、○○様、ご家族の皆様いかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで、こちらは家族一同元気に過ごしております。
本日は、日頃の感謝の気持ちを込めて、お中元の○○をお送りいたしました。
お口に合うかはわかりませんが、皆様で楽しんでいただければ幸いです。
今年は、これからさらに暑くなるとのことですが、熱中症には十分お気を付けてお過ごしください。
まずはお中元のご挨拶まで。

○年○月○日
氏名

お中元の挨拶状を書くとき・渡すときのマナー

お中元は、挨拶状を書くときだけでなく、配送する際や手渡しの際など、一つひとつマナーがあります。
ここからは、挨拶状を書くとき、お中元を渡すときのマナーについて解説します。

挨拶状を書くときのマナー

挨拶状は、取引先や目上の方、家族、親しい方など、お中元を贈る相手によって適切な距離感でオリジナリティのある内容を書くことが望ましいです。
思いが伝わるようにできる限り手書きすることが好ましく、季節感のある便箋を使用したり、季節の挨拶を含めたりするとよりよいとされています。

また、挨拶状は手紙やハガキで出すことが一般的です。
目上の方や取引先などには手書きの封書で出すことが最も丁寧な送り方とされています。
添え状は、封をしない手紙やカード、一筆箋などを使用します。

お中元を配送するときのマナー

お中元を配送する際は、先に送り状を送るのがマナーです。
両親や親しい友人などには、メールでの挨拶や電話でお中元が届く旨を伝えても問題ありませんが、目上の方にお中元を贈る場合にはできるだけ送り状を使用しましょう。

また、配送中にのしが傷付いたり汚れたりすることを避けるために、内のしにすることも相手を思いやるマナーです。

お中元を配送する際ののしの掛け方やマナーについてはこちらで詳しく紹介しています。

お中元を手渡しする際のマナー

相手を訪問してお中元を直接渡す場合には、室内に通されてから渡すことが一般的です。
相手に迷惑にならないように、あらかじめ訪問前に連絡をしておくのがマナーです。

お中元は風呂敷や紙袋に包んで持参し、渡す際に品物を取り出すのが一般的ですが、ビジネスの場では持ち帰りがしやすいように紙袋のまま渡すこともあります。

手渡しする場合は、表書きが確認できるように外のしにしておき、渡す際に「お納めください」「お口に合うとよいのですが」といった一言を添えます。
その際、添え状は品物に同梱して渡します。

お中元を手渡しする際の詳しいマナーはこちらで紹介しています。

心をこめた言葉を贈って感謝を伝えよう

お中元の挨拶状は、日頃の感謝の気持ちを自分らしく伝える手段の一つです。
頭語・結語を用いる、時候の挨拶を入れるなど、書面でのマナーもたくさんありますが、あまり難しく考えすぎず素直に感謝を伝えることを心がけることが大切です。

家族や親しい友人であればお中元と送り状を贈るだけでなく、電話で「ありがとう」を伝えることでしっかりと気持ちを受け取ってもらえるはずです。
形式にとらわれすぎることなく、ご自身の感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。

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