人気の『LA MODE』シリーズ
世界的に有名なファッションデザイナーであるコシノジュンコ氏。
1978年から22年にわたるパリコレクションへの参加、ニューヨークのメトロポリタン美術館やキューバでの日本人初のファッションショー、中国での外国人初の大規模ファッションショー開催などその経歴は実に歴史的なもので華々しい。またオペラやブロードウェイミュージカルなどの舞台衣装、スポーツのユニフォーム、航空会社の制服やワーキングウェアのほかインテリア・デザイン、さらには毎年、和太鼓パフォーマンス・グループの舞台衣装や花火のデザインも手掛け、その活動の分野はとてつもなく幅広い。
ファッション界に留まらずあらゆるジャンルにわたり氏の存在感は大きく、まさに我が国における「唯一無二」な存在である。
高校生時代は画家を目指していた
高校生時代、美術部に属していたコシノ氏は当時画家を目指していた。
「将来は美大に進み、世界で活躍できる画家になろう」と夢を抱いていた。
氏が描いた当時のデッサン画を見ると、クロッキーノートに描かれた裸婦はとても力強く、ある作品は画面いっぱいに、またある作品はその画面を飛び出し隣のページにまで描き及んでいる。
コシノ氏の“とらわれない”発想は、すでにこの時期からあったのだ。あのまま美術を続けていたら、もしかすると本当に“世界的女流画家”になっていたかもしれない。そんな思いを抱かされるほどのデッサン力なのだ。
とはいえ、結局は母親と同じ道を進み、そしてファッション界で世界的に活躍するデザイナーになったのだが。
作品右下に書かれた直筆サイン
作品裏に書かれた直筆サイン
「静と動、対極の美」
ファッションのみならずすべてのデザインにおけるコシノ氏の制作に「対極の美」という理念がある。黒と白、赤と黒、金と黒、円と四角・・・。
色数を抑え装飾的な表現も排除し、シンプルながら極端な対比の中に「真の美しさ」を見出しているのだ。
本作品は『LA MODE』シリーズの一作。大胆さと繊細さ、緩急の流れで描かれた本作は、“静と動”というまさに「対極」で表現された一枚である。
コシノ氏は、デザイン画を起こす際には髪型から描くという。「ヘアスタイルが決まると、モードも決まるのよ」と。
この作品もデザイン画同様まさに髪から描いている。まずは刷毛で髪を一気に描き上げ、そして目から始まり 繊細なフェイス部分を描いた後はまた刷毛を躍らせボディー部分を描く。下描きもためし描きも一切しない一発勝負の作品は余計をすべて排除。しかしシンプルという言葉では語られないほどの存在感がある。ごまかしのないラインはまさにコシノ氏の「その瞬間」の息吹を感じさせる作品である。
デザインもアイデアもすべてが瞬時にひらめきそれを形にしていくコシノ氏は、アート作品においても然りであった。
自身の作品の前に立つコシノ氏
出張先でもデザインが浮かんだらその場でペンを走らせる
毎年4月に沖縄で開催される“日本一早い花火大会”『琉球海炎祭』(JAL Presents)の花火デザインを制作中のコシノ氏
花火のデザインを前に思案中のコシノ氏
商品情報
- 品番1
- 0002-7431G
- コシノジュンコ
- 新人デザイナーの登竜門「装苑賞」を最年少の19歳で受賞。
1978年パリコレクション初参加。北京、NY(メトロポリタン美術館)、ベトナム、キューバ、ポーランド、ミャンマー、スペインなど世界各地にてファッションショーを開催。国際的な文化交流にも力を入れる。
オペラ、ブロードウェイミュージカル『太平洋序曲』(トニー賞ノミネート)、DRUM TAOなどの舞台衣裳、スポーツユニフォームやエアラインの制服、またワーキングウェアなど多岐にわたりデザイン等を手がけるほか、国内被災地への支援活動も行っている。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 BUNNKA・教育委員。
2025年国際博覧会誘致特使。福島県「ふくしまクリエイティブクラフトアカデミー」初代校長。
TBSラジオ「コシノジュンコMASACA」(毎週日曜17時~)放送中。
平成29年度文化功労者顕彰。
2021年フランスで最も権威ある国家勲章「レジオン・ドヌール勲章」を受賞。
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