『柔らかいタッチで独特の世界観の作品を制作』

本作は、「JALアートサロン」のために描き下ろされたオリジナル作品。

若い女性が袴をはくのは、概ね大学の卒業式が連想される（タカラヅカは別なものとして考える）
と思いきや、今では小学校の卒業式でも着物に袴というスタイルが増えているようだ。
これにはちょっと驚いたが、日本の良き文化が新しい世代に継承されることは大変に喜ばしく大切なことだ。

さて本作品に関して作者である菅原青生氏は、
「大学美術館の博物館実習で武蔵野美術大学のコレクションのひとつである『小倉百人一首』の
保存状態を調査する機会があり、この資料と関連づけた作品を描きたいという思いが湧いてきた。
そこで日本の伝統文化を今に繋ぐ “かるた大会” での帰り道の姉妹の姿を心象風景の中に表現した」
という。モデルは小学校の低学年生と高学年生をイメージしたようだ。
作者は「袴」というアイテムと、そして画面全体の温かい雰囲気から寿ぎの穏やかなシーンも表している。

作品「ハレノヒ」は、また日本の伝統的な美しさも伝える。
背景には琳派の絵師たちが多用した「たらし込み」という日本古来の技法が使われ、
その淡い色彩は柔らかで温かく、幻想的で夢の中のような世界を創り出している。

日常の喧騒から離れ、心の中にある穏やかで晴れやかな瞬間を観るものに思いおこさせ、
そして優しく作品の中へと誘ってくれている。

「JALアートサロン」のための描き下ろし作品

「ハレノヒ」
昔ながらの技法「古色染め」を用いて岩絵具で着彩した日本画作品となります。
夕焼けのなか、晴れ着をまとい手を繋ぐ可愛らしい2人の姉妹。
晴れの日を祝福するように抽象性を帯びた花々が茜色の空にたゆたい、
何気ない日常での出来事を描いた吉祥の作品となっております。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　― 菅原青生

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  額の裏に貼られた作家直筆の奥付

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  作品に押される落款

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  本作に押された落款（作品本体のパネル右側面に押されているため額装時には隠れていて見えません）

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  「ハレノヒ」（イメージ）