JALアートサロン 鈴木徹『緑釉香炉』
釉薬の表現やそのフォルムから緑色の花弁のような本体とそして蓋のつまみ部分は柿茶色をした花芯のような姿は美しく咲く花そのものを連想させます。あるいはつまみの部分が野に咲く可憐なタンポポとも思えるとても優しい佇まいの香炉です。鈴木氏の工房の周りにはさまざまな樹木や草花があり、その自然が氏の表現の源泉にもなっています。
鈴木徹
美濃焼の産地の一つでもある岐阜県・多治見の地で作陶を行う鈴木徹氏。美濃焼は、豊臣秀吉が晩年に築いた伏見城の地・桃山の茶人たちに愛された個性豊かな肌を持つうつわです。茶陶で名高い美濃焼は織部や志野などその明るい色彩と変化に富んだ姿で、まさに桃山時代に一世を風靡しました。鈴木氏はその時代の伝統美を今に伝える陶芸家の一人です。鈴木氏の作品には「織部釉」という釉薬を使用しているため緑色をしているのが特徴です。本来なら作品名には「織部」と名付けるのですが、「織部」という範疇を超えた仕事をしたい思いから「緑釉」と名付けているといいます。一般に「織部」というと鳴海織部や黒織部、志野織部などいろいろな技法がありますが、沓茶碗(くつちゃわん)に代表されるように歪んだ形や剽げた意匠が特色です。鈴木氏の父親は、志野を追求した人間国宝の藏氏。しかし鈴木氏が選んだのは父親とは異なる緑釉。氏は「大好き」という織部釉の緑色の美しさを前面に出した作品を制作したいという思いから、織部の特色にとらわれることなく壺や花器、茶陶や酒器など幅広いジャンルで作品作りをしています。
工房風景
工房風景
窯出しの様子
作陶風景
商品情報
●サイズ(約):幅17.2cm×奥行き17.2cm×高さ10.0cm ●重量(約):458g ●付属品:共箱(作家直筆署名入り) ●日本製(岐阜県多治見市)
- 品番1
- 0002-7109G
- 鈴木 徹(すずき てつ)
- 1964年岐阜県多治見市に生まれる。祖父は釉薬の研究家、父は重要無形文化財「志野」保持者(人間国宝)の鈴木藏氏。1987年龍谷大学文学部史学科卒業。23歳の時に父親に師事し陶芸を始める。1991年第38回日本伝統工芸展入選(以降27回入選)1997年日本工芸会正会員になる。2003年第50回日本伝統工芸展「新人賞」受賞。2005年第1回菊地ビエンナーレ「大賞」受賞。2009年第3回菊池ビエンナーレ「奨励賞」受賞。2012年第32回伝統文化ポーラ賞「奨励賞」受賞。2015年第62回日本伝統工芸展「NHK会長賞」受賞。2016年「平成27年度日本陶磁協会賞」 受賞。2017年第64回日本伝統工芸展「緑釉花器」宮内庁買上げ現在、日本工芸会正会員、同会東海支部の幹事長を務める。
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