おせち

2024.05.30

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おせち料理はいつ食べる? 地域ごとの違いや準備について

日本では、古くからお正月に『おせち料理』を家族・親戚と囲んで食べる習慣があります。
おせち料理を食べるタイミングは、地域によって異なることをご存じでしょうか。
伝統に従い、旧暦を基にする地域もあれば、家族が集まる日に合わせて食べる家庭も多く、そのタイミングはさまざまです。

また、おせち料理を手作りする際には、食べるタイミングから逆算して準備を進める必要があります。
おせち料理には品目が数多くあり、作るのには時間も手間もかかるため、計画的に下ごしらえや調理をすることが重要です。

この記事では、冷凍おせちの魅力や、この記事では、地域ごとに異なる『おせち料理を食べるタイミング』と、おせち料理を手作りする場合の『日持ちの目安と調理の順番』について詳しく解説します。

おせちについての詳しくはこちらのページで解説しています。

おせち料理はいつ食べるのが正しい?

おせち料理を食べるタイミングに、厳密なルールやマナーはありません。
元旦(1月1日の朝)から三が日にかけて、お雑煮と一緒に食べるのが一般的です。

一方で、旧暦を踏襲する地域や、昔の考え方に基づいた習慣が根付いている地域などでは、おせち料理を大晦日に食べ始めるケースもあります。

いつ食べるのが『正しい』と決められているわけではないため、元旦だけではなく、大晦日や1月2日など、家族が揃うタイミングに合わせて食べても問題ありません。

地域で異なる『おせち料理を食べるタイミング』

おせち料理を食べるタイミングに厳密なルールはありませんが、習慣や風習によって若干の地域差があります。

地域差といっても、数日や数週間というほどの大きな違いではなく、『元旦に食べる地域』と『大晦日に食べる地域』の2つに分けられます。
ここからは、それぞれどのような違いがあるのかについて解説します。

元旦におせち料理を食べる地域

元旦におせち料理を食べることが一般的となっている地域は以下のとおりです。

元旦におせち料理を食べる地域

  • 関東地方
  • 関西地方
  • 東海地方
  • 山陰地方
  • 九州地方の大部分

これらの地域では、江戸時代以降に民衆へ広がった習慣が基となり、元旦におせちを食べると考えられます。

中国から、元日や桃の節句(3月3日)など季節の節目『五節供(ごせっく)』に邪気を払うための宮中行事として伝わったものだと考えられています。
神様へお供えする食べ物を『御節供(おせちく)』と呼び、五節供のうち、最も重要とされる年の初めの節日(1月1日)に食べるものだけを「おせち」と呼ぶようになりました。

大晦日におせち料理を食べる地域

大晦日におせち料理を食べることが一般的な地域は以下のとおりです。

大晦日におせち料理を食べる地域

  • 北海道
  • 東北地方
  • 甲信越地方
  • 四国地方
  • 九州地方の一部

これらの地域で大晦日におせち料理を食べるのは、旧暦の影響があるといわれています。
現代では、1日が切り替わるのは『午前0時』という考え方が一般的です。
しかし、旧暦では『日没』から新しい1日が始まると考えられています。
旧暦の考えでは、大晦日の日没後が現在でいうところの『元旦』に当たることから、上述した地域では大晦日におせち料理を食べる習慣があります。

大晦日におせち料理を食べる地域では、年越しそばの扱いや元旦の食事事情もさまざまです。

大晦日・元旦における食事事情

  • おせち料理を食べたあとに年越しそばを食べる
  • 年越しそばを食べる習慣がない
  • 元旦はおせち料理の残りとお雑煮を食べる
  • 元旦はお雑煮のみを食べる など

年越しそばを大晦日に食べて、おせち料理を元旦に食べることが浸透している地域の人からすると、おもしろい習慣といえるのではないでしょうか。

なお、おせち料理が持つ意味についての詳細は、こちらのページで詳しく解説しています。

ほかの地域とは異なる沖縄の習慣

長年独自の文化を育んできた沖縄では、そのほかの地域とは異なり、おせち料理を食べる文化がありません。
代わりに、田芋田楽(ターンムでんがく/ターンムディンガク)といった郷土料理や豚肉料理、オードブルを食べるのが習慣です。

また、沖縄では旧暦をベースとして年中行事が行われることが多いです。
旧正月の十六日(ジュールクニチ)には、『御三味(うさんみ)』と呼ばれる重箱料理を食べる習慣があります。
本州で食べられるものとは品目や意味合いが異なりますが、これが沖縄版のおせち料理とも考えられます。

おせち料理はいつ作る?

おせち料理を手作りする場合、食べるタイミングによっておせち料理の準備を始めるタイミングを調整しなければなりません。
おせち料理は、「作ったその日のうちに食べて終わり」というものではないため、元旦や三が日まで日持ちさせることを意識して作る必要があります。

年末は、大掃除や帰省など何かと忙しい家庭も多いのではないでしょうか。
限られた日数で計画的におせち料理を作るためには、必要な日数やどの品目から作り始めるかを考えておく必要があります。
ここからは、「おせち料理の準備をいつから始めるか」「どの品目から順に調理を進めるか」について解説します。

おせち料理を作る日程

元旦におせち料理を食べる場合は、前日の大晦日までに完成させておかなければなりません。
おせち料理には複数の品目が入りますが、それぞれ日持ちする期間は異なります。
12月29日、30日、31日の3日間に分けて日持ちする順番で作り始めましょう。

また、大晦日におせち料理を食べる場合は、前日の12月30日までに完成させておく必要があります。
12月28日、29日、30日の3日間に分けて、日持ちする順番で作り始めましょう。
元旦におせち料理を食べる地域から、大晦日におせち料理を食べる地域に引っ越した場合は、これまでより1日早くおせち料理を作り始めると考えておくと分かりやすいです。

日持ちの目安と調理の順番

複数の品目があるおせち料理をすべて1日で仕上げてお重へ詰めるのは容易ではありません。
複数日に分けて準備をすることを踏まえて、日持ちする順番でおせち料理の品目を作っていくのがおすすめです。

2~3日前から準備できる品目

  • 田作り
  • 黒豆
  • 昆布巻き
  • 栗の皮むきや数の子の下準備 など

前日に準備できる品目

  • 筑前煮
  • エビの旨煮
  • 焼き物の下準備(漬け込み) など

直前に仕上げるとよい品目

  • 焼き物
  • 刺身 など

冷蔵保存できるものは、食べる2~3日前から調理しておきましょう。
途中で火入れをすることで、より長い期間での保存が可能になる場合もあります。下準備が面倒な品目は、前もって下ごしらえを進めておくのがおすすめです。

一方、鮮度が大切な品目は、直前に仕上げることで彩りを保って見た目も華やかに仕上がります。

使用する食材や調理方法によって異なりますが、手作りしたものは冷蔵保存で3~4日、冷凍保存は1ヶ月程度が保存の目安とされています。
ただし、これらはあくまでも目安です。手作りしたおせち料理はなるべく早く食べきるようにしましょう。

保存期間が長い冷凍おせちについては、こちらで詳しく解説しています。

おせち料理以外の料理を楽しむ家庭も増えている

最近では、お正月や大晦日に囲む料理も多様化してきており、すき焼きや鍋料理、お寿司、オードブルなどを楽しむ方もいます。
おせち料理を手作りするのは手間も時間もかかるほか、共働きの家庭も増えてきています。

おせち料理の準備にまで時間を費やせないため、お店やインターネット注文などでおせち料理を購入する家庭が多くなってきているのが現状です。
おせち料理の中身も、伝統的な田作りやエビ、伊達巻などを中心のものだけではなく、洋風のおせち料理、すき焼きや焼肉など、別のメニューがセットになったおせち料理も登場しています。

昔ながらの伝統を踏襲することも重要ですが、新年のお祝いという観点では、久しぶりに会う家族と楽しく食卓を囲むことが欠かせません。
集まる人数やタイミング、好みに合わせて、おせち料理以外の料理を選択肢として考えてみるのもおすすめです。

地域ごとの風習に合わせておせち料理を楽しもう

おせち料理を食べる習慣は日本全国にありますが、食べるタイミングが元旦なのか大晦日なのかは、地域ごとに異なります。
おせち料理は新年を祝う料理ではありますが、必ず元旦に食べなければならないと決められているわけではありません。
家族全員が揃うタイミングでおせち料理を囲むために、大晦日や1月2日に食べるのも選択肢の一つです。

また、家庭やライフスタイルに合わせておせち料理を手作りしたり、購入したり、おせち以外の料理を用意したり、その選択肢も多様化しています。
手作りする場合は、それぞれの品目がどれくらい日持ちするか、実際に食べるタイミングから逆算して計画的に準備を進めましょう。

一方、おせち料理の購入を考えている場合は、予約期間や完売、配送のタイミングなどを考慮して早めに手配しておくと安心です。