おせち

2024.07.09

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お年賀の正しい渡し方とマナーを徹底解説

日本には、年始の挨拶として『お年賀』を贈る習慣があります。
お中元やお歳暮と同様に、お年賀にも正しい贈り方やマナーがあります。

しかし、初めてお年賀を贈る際に戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、そのような方々のために、お年賀の渡し方についてのマナーを詳しく解説します。

お年賀の詳細については、こちらの記事で解説しています。

お年賀を贈るタイミング

お年賀は、『松の内』と言われる期間に贈るのが一般的です。
松の内と示される期間は地域によって以下のように異なります。

松の内の期間

地方 松の内
関東地方 1月1日~1月7日まで
関西地方・山陰地方・東海地方 1月1日~1月15日まで

ただし、1月1日は家族や親戚で集まって過ごしている家庭も多いため、家族以外へお年賀の挨拶をする場合は訪問を避けたほうがよいでしょう。

贈る相手または自分が喪中の場合や、松の内の期間に贈れない場合は立春(2月4日頃)までに『寒中御見舞』『寒中御伺』として贈ります。
お歳暮の代わりとしてお年賀を配送する場合も、松の内の期間に届くように手配しましょう。

喪中期間のお年賀については、こちらで解説しています。

お年賀を渡す際のマナー

お世話になっている方や会社への新年の挨拶であるお年賀は、マナーを守り、相手への失礼がないように贈ることが大切です。
お中元やお歳暮の贈り方とよく似ている点もあるため、混同しないよう事前にマナーの確認をしておきましょう。

ここからは、お年賀を渡す際の基本的なマナーを紹介します。

基本は手渡しで渡す

お年賀は新年の挨拶に伺う際の手土産のため、相手宅へ訪問して手渡しするのが基本です。
お中元やお歳暮は配送することが多いですが、お年賀の場合、配送は一般的ではありません。

インターネット注文や通販などを利用する場合は、余裕を持った日数で取り寄せてから、相手のもとへ直接持参しましょう。

どうしても相手を訪ねることが難しい場合は、配送しても問題ありません。
ただし、事前に相手へお年賀を配送した旨を伝えておくのがマナーです。
また、贈り物と一緒に挨拶状を添付しておくと、より丁寧です。

相手の都合を優先する

お年賀は、相手のお宅や会社に伺って渡すのが一般的です。
訪問する際は、事前に連絡して相手の都合がよい日にちや時間帯を確認しておきましょう。
年始は帰省や旅行などで不在にする方も多いため、突然訪問することがないよう気をつける必要があります。

訪問が難しく配送する場合も、事前に相手の都合を確認して都合のよい日時に届くように配慮しましょう。

贈り物にはのしを掛ける

お年賀として贈る品物には、のしを掛けるのがマナーです。
基本的に紅白5本または7本の蝶結びの『のし紙(掛紙)』または短冊のしを使用します。
水引の中央上に『御年賀(お年賀)』と書き、水引の中央下には贈り主の姓を書き入れます。

水引の本数や色、結びは地域や宗派によって異なることがあるため、事前に確認しておくと安心です。
お年賀は手渡しするのがマナーのため、包装紙の上から掛ける『外のし』が一般的ですが、配送する場合は汚れや傷からのしを守るために、包装紙の内側に掛ける『内のし』にしておくのが一般的です。

お年賀のに掛けるのしについては、こちらで詳しく解説しています。

相場に見合った品物を贈る

あまりにも高価な品物をお年賀として贈るのは、かえって相手に気を遣わせてしまう恐れがあるため、避けましょう。
お年賀の相場は、一般的に3,000~5,000円程度とされています。

親しい方へは気軽に贈ることができる金額の品物を選んだり、特別お世話になっている方へは5,000円以上の品物を選んだり、相手に応じて相場と異なる予算になることもあります。
おおよその相場を参考にしつつ、相手との関係性に合わせて予算を調整するのがおすすめです。

お年賀の相場については、こちらのページで詳しく解説しています。

贈答が禁止されていないかを確認する

国家公務員倫理規程』や『公職選挙法により、国家公務員や政治家などは、贈答品の受け取りが禁止されています。

また、会社規程によりお年賀やお歳暮といった贈答が禁止されているケースもあります。
取引先や上司などへお年賀を贈る場合は、事前に相手へ確認しておくことが大切です。

相手が贈答品を受け取れない場合は迷惑になるため、お年賀やお歳暮などを贈ることは控えましょう。

基本的にお年賀のお返しは必要ない

お年賀を受け取った場合、基本的にお返しは必要ないとされています。
お年賀を持って訪問してくれた相手に、お茶やお菓子などを用意しておもてなしするのが一般的ですが、感謝を直接伝えるだけでも問題ありません。

相手に気を遣わせない程度のプチギフトやお土産、時間帯によって昼食を用意するなどの心配りがあると喜ばれるのではないでしょうか。

お年賀を渡す手順

相手のお宅や会社などを訪問する際、室内へ通されるケース、玄関先で渡すケースなど、時と場合によってどのようにお年賀を渡すべきか分からずに戸惑ってしまうことも考えられます。

お宅訪問時のマナーや手渡す際に添える言葉などを事前に把握して準備しておくことで、スマートに振る舞うことができます。
ここからは、お年賀を渡す際の手順を紹介します。

チャイムを鳴らす前に

訪問の際は、むき出しの状態ではなく、紙袋や風呂敷で品物を包んで持ち運ぶのがマナーです。
到着の時間は、早すぎず・遅すぎずのタイミングを心がけて、約束の時間から3~5分ほど過ぎた頃にチャイムを鳴らしましょう。
10分以上遅れる場合には、必ず先方へ連絡を入れます。

チャイムを鳴らす前に、玄関先でコートやマフラー、帽子などの防寒具を脱ぎ、脱いだ防寒具は片手にまとめて持つようにしましょう。

室内へ通される場合の渡し方

室内へ通される場合、玄関先では挨拶のみにとどめます。
焦って玄関でお年賀を渡さないように注意しましょう。
なお、冷蔵品のように早く渡したほうがよい品物の場合は、玄関先で渡しても問題ありません。

部屋へ通されたら、席に着く前に改めて年始の挨拶をしてお年賀を手渡します。
持ち運びに利用した紙袋や風呂敷から品物を出した状態で、相手が表書きを読める向きにして手渡します。
手渡す際には「心ばかりのものですが」「気に入っていただけると嬉しいです」などの一言添えましょう。
ただし、「つまらないものですが」といった謙遜する言葉は避けるのが賢明です。

玄関先で挨拶する場合の渡し方

訪問時は室内に通されてから手土産を渡すのが基本とされていますが、時間がなく挨拶のみをする場合には玄関先でお年賀を渡しましょう。

室内へ通される場合と同じように、紙袋や風呂敷から出し、相手が表書きを読める向きで手渡します。
手渡す際には、年始の挨拶と一言を添えましょう。

外出時や訪問先の会社での渡し方

相手の自宅ではなく、飲食店や取引先の会社でお年賀を手渡す場合には、持ち運びのしやすさを考慮して、紙袋に入れたまま渡しましょう。
渡す際に、「紙袋のまま失礼します」と一言添えると丁寧です。

持ち運び時に紙袋が傷んでしまう恐れがある場合は、予備の袋を用意しておくのがおすすめです。
紙袋から出して渡す場合には、持参した紙袋は持ち帰りましょう。

お年賀の渡し方を押さえて気持ちよく年始の挨拶をしよう

お年賀は「今年も1年よろしくお願いします」という気持ちをこめて、年始の挨拶で先方を訪問した際の手土産として贈る習慣があります。
手渡しが基本とされていることから、事前の連絡や訪問時のマナーなど、相手への配慮が必要不可欠です。

突然相手のもとを訪問したり、贈答品を受け取ることが禁止されている方へお年賀を贈ったりしてしまうと、相手に迷惑をかけてしまいます。
快く受け取ってもらうためにも、正しいマナーや立ち居振る舞いを押さえて、スマートに年始の挨拶を行えるように準備をしておきましょう。