ワイン

2024.12.09

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ワインペアリングとは? 日々の食事を味わい深くするワインと料理の合わせ方

ワインは単体で飲んでもおいしい飲み物ですが、相性の良い料理と組み合わせると、さらにおいしくなります。ワインをより楽しむために知っておきたいのが、「ペアリング」の基本的な考え方です。

具体的に、ワインのペアリングとはどのような考え方なのでしょうか。

ここでは、レストランや自宅で、手軽にワインと料理のペアリングを楽しむための基礎知識をご紹介します。

ワインのペアリングとは?

ワインのペアリングとは、ワインと相性が良い料理を組み合わせることです。相性の良いワインと料理を一緒に味わうことで、それぞれを単体で味わうよりもおいしさを感じやすくなります。

ペアリングと似た意味で使われる言葉に「マリアージュ」があります。マリアージュは、フランス語で結婚を意味する言葉です。具体的には、ワインと料理を組み合わせて、単体では得られなかった味わいを生み出すことを指します。

ペアリングはワインと料理の相性そのものを、マリアージュはペアリングで生み出される味や香りを指す言葉と考えると、違いがわかりやすいかもしれません。

レストランでペアリングを楽しむためのコツ

誕生日や記念日といった特別なタイミングで、家族や友人などとレストランに行ってワインと料理を楽しむこともあるでしょう。

レストランで上手にペアリングを行いたい時は、ペアリングメニューのあるお店を選んでみてはいかがでしょうか。お店が用意した料理と相性の良いワインが提供されるため、ワイン初心者の方でも、簡単にマリアージュを楽しめます。

1皿単位でワインが提供されるため、さまざまなワインを飲むことができる点も魅力です。

ペアリングメニューがないレストランの場合は、自分でワインを選んでオーダーすることになります。その際は、コース料理と似た価格帯のワインの中から選ぶのがおすすめです。

同じ価格帯同士のワインとコース料理だと、相性の良い組み合わせになりやすい傾向にあります。

日々の料理で役立つペアリングの基本

基本を知っておけば、ペアリングはレストランだけでなく自宅でも簡単に楽しめます。ペアリングの基本的なコツを5つご紹介するので、普段の食事で試してみてはいかがでしょうか。

色が似ているものを合わせる

料理に合うワインがわからない時は、ワインと料理の色を合わせるのがおすすめです。牛肉や赤身の魚などには赤ワインを、白身魚や鶏肉、豚肉などには白ワインを合わせるなどが例として挙げられます。

青魚は赤身の魚と同様に血合いが多いので、ライトボディと呼ばれる味わいが軽めのワインを合わせると良いでしょう。

また、食材そのものではなく、ソースなどの色とワインの色を合わせる方法もあります。トマト系のソースにはライトボディで鮮やかな赤ワインかロゼワイン、デミグラスソースには色合いが濃いフルボディの赤ワイン、クリームソースには白ワインといった組み合わせ方が例です。

見た目で判別できる方法なので、ワインの味がわからない時にも活用できます。

ワインのボディについては、以下の記事で解説しているので、併せてご確認ください。

香りや味わいが似ているものを合わせる

色ではなく、香りや味わいが似ているもの同士を合わせる方法もあります。「スパイシー」「ハーブのような爽やかな香り」など、ワインにはブドウ以外のもので香りや味わいを表現しているものが多いです。

商品説明などに記載されている文章を手掛かりに、ワインの香りと相性が良さそうな食材を考えてみると良いでしょう。香りと味わいの相乗効果によって、よりおいしい食事を楽しめます。

ミントやバジルを使った料理に香りの爽やかなワインを合わせる方法や、香辛料を使った料理にスパイシーなワインを合わせる方法などが例です。

また、料理やワインを口にした時の風味を合わせるのもポイントです。例えば、サラダのようなシンプルな料理には、軽い飲み口のワインが良く合います。反対に、複雑な風味を持つ料理であれば、料理に負けない味わいを持つワインを合わせると良いでしょう。

他にも、甘口のデザートワインをアイスやチョコレートといった甘いデザートに合わせる、フルーティーな香りのワインを果物に合わせるといったペアリングも考えられます。

ワインと料理の温度を合わせる

冷製パスタのような冷たい料理にはしっかり冷やしたワイン、スープや煮込み料理といった温かい料理にはある程度冷やしたワインなど、それぞれの温度を合わせるのもおすすめです。

温度を合わせることで、お互いの魅力が引き立ちやすくなります。

ワインは、銘柄ごとにおいしく飲むことができる最適な温度が決まっています。無理に温度を合わせるのではなく、おいしく飲める範囲で、ワインの温度を調整することを心がけましょう。

ただし、冷やしたワインにできたての熱い料理など、温度帯が違っても相性が良い組み合わせも存在します。

あくまでも、ペアリングの考え方のひとつとして覚えておくと良いでしょう。

産地を合わせる

ワインも料理も、どちらもその土地の影響を強く受けているものです。同じ産地同士で組み合わせると、自然と良いペアリングになる傾向にあります。

和食と日本酒、和菓子と緑茶などの相性が良いことを考えると、わかりやすいかもしれません。

パスタを食べる時はイタリア産のワイン、フレンチを食べる時はフランス産のワイン、和食を食べる時は日本産のワインなど、同じ国の料理とワインでペアリングを試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

対照的なものを合わせる

ご紹介してきたように、ワインと料理のペアリングの基本は、似ているもの同士を組み合わせることです。

ただし、あえて似ていないワインと料理を組み合わせる方法もあります。相反するものを合わせることで、癖を抑えたり、物足りない味や香りを補ったりするための考え方です。

例えば、塩気の強いチーズと甘いデザートワインを組み合わせると、チーズの塩味が柔らかくなり、ワインの甘みもより引き立ちます。

こってりした料理と酸味の強いワインを組み合わせるのも良いでしょう。基本的には、個性が強い料理とワイン同士を組み合わせると、上手なペアリングになる傾向にあります。

ペアリングでワインをさらに楽しもう

ワインは単体でもおいしい飲み物ですが、相性の良い料理と組み合わせることで、より味わい深くなります。

ペアリングと聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、郷土料理とその土地の地酒、ビールに揚げ物といった組み合わせを楽しんだことがある方は多いはずです。

ワインペアリングの基本的なポイントは、日々の生活の中でも自然と行っているものです。

また、味覚や好みが人それぞれであるように、ワインと料理の組み合わせ方に絶対の正解はありません。あくまで、ワインと料理の合わせ方の目安として考えておくと良いでしょう。

日々の食事をさらに味わい深いものにしたい方は、ワインのペアリングの知識を活用してみてはいかがでしょうか。