ワイン

2024.12.09

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ワインはブドウの品種が大事! 覚えておきたい代表的な種類と特徴

ワインは、ブドウを発酵させて造る飲み物です。ワイン用のブドウは世界各国で栽培されており、品種ごとにワインの味わいも変わります。

ワイン用のブドウ品種の特徴を知れば、自分好みのワインを見つける手掛かりにすることが可能です。

ここでは、覚えておくとワイン選びの役に立つ、ワイン用ブドウの主な品種と特徴をご紹介します。

生食用とワイン用のブドウの違いは?

食用のブドウを用いるケースもありますが、ワイン造りにはワイン用の品種を用いるのが基本です。

食用のブドウは、皮が薄い、水分量が多い、種が少ないなどといった特徴があります。

一方で、ワイン用のブドウは皮が厚い、水分量が少ない、種が多いなどの特徴を備えています。醸造過程で十分な糖度が必要になるため、小粒で糖度も高めです。

また、赤ワイン造りでは、渋み成分であるタンニンをしっかりと含んだ黒ブドウを主に使います。

食用のブドウからワインを造ること自体はできますが、味わい深いワインを造るために、ワイン用のブドウ品種は欠かせないものといえるでしょう。

代表的な赤ワイン用のブドウの品種

赤ワイン造りには、皮が黒い黒ブドウを使用します。一見するとどれも同じように見えますが、品種ごとに味わいや香りなどが大きく異なります。

ワインの味わいを左右するため、主な品種の特徴を知っておけば、ワイン選びにも役立てることが可能です。

代表的な赤ワイン用の黒ブドウとしては、次の品種が挙げられます。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは、世界各国で栽培されている赤ワインの代表的なブドウ品種です。フランスのボルドー地方が原産で、ボルドーワインの5大シャトー(1級格付け品)も、多くがカベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られています。

カシスやブラックチェリーのような香りとパワフルな果実味、深みのある色合い、しっかりした渋みなどが特徴です。

果皮が厚いため、濃厚なワインに仕上がる傾向にあります。

メルロー

メルローも、カベルネ・ソーヴィニヨンと並ぶ代表的な赤ワイン用のブドウ品種です。プラムやブラックチェリーのような香りが、特徴として挙げられます。カベルネ・ソーヴィニヨンよりも渋みはマイルドで、口当たりも滑らかです。

原産はフランスのボルドー地方ですが、世界中で栽培されていて、生産地ごとに異なる味わいや香りを楽しめるのも魅力です。

ピノ・ノワール

フランスのブルゴーニュ地方が原産です。他の品種よりも栽培や醸造が難しく、ブルゴーニュ以外では生産できないといわれていましたが、近年は栽培地が増えています。

生産地の特徴が出やすいため、各国で個性的なワイン造りに使われている品種です。高級ワインとして有名な「ロマネ・コンティ」も、ピノ・ノワールから造られています。

イチゴやラズベリーに似た果実味と爽やかな酸味を持ち、比較的渋みは少なく、滑らかな味わいに仕上がるのが特徴です。

シラー

フランスのローヌ地方やオーストラリアが有名な産地で、オーストラリアではシラーズと呼ばれます。

オーストラリア産は果実味を感じるジューシーな味わいが、フランス産はスパイシーな味わいが特徴です。タンニンが豊富に含まれており、長期熟成によって風味が変化します。力強い酸味やコクのあるワインを楽しみたい方におすすめです。

テンプラニーリョ

スペインの代表的な赤ワイン用のブドウ品種で、スペイン国内で広く生産されています。成熟が早く、生産期間が短いのが特徴です。

渋みや酸味などのバランスが良く、イチゴやチェリーに似た香りのワインに仕上がります。

また、生産地・生産者による味わいの違いを楽しめるのも魅力です。

ガメイ

フランスのブルゴーニュ地方原産とされていますが、ニュージーランドやアメリカのオレゴン州などでも栽培されています。

毎年11月の第3木曜日に解禁される「ボジョレー・ヌーヴォー」に使われる品種としても有名です。

渋みや酸味が穏やかで、赤ワインとしては軽やかな飲み口なので、ワイン初心者の方にもおすすめです。

マスカットベーリーA

日本原産の黒ブドウで、イチゴや砂糖菓子のような甘い香りと、フレッシュな果実味を感じられます。渋みや酸味が穏やかで、飲み口は軽やかです。赤ワインだけでなく、ロゼワインや赤いスパークリングワインなど、さまざまな用途で使われています。

また、生食用として生産されているのも特徴です。寒さや湿度に強く、山梨県をはじめ、山形県や長野県、新潟県など、日本各地で栽培されています。

代表的な白ワイン用のブドウの品種

白ワインは、赤ワインとは異なりブドウの果汁だけで造られるのが特徴です。主に白ブドウを使用しますが、黒ブドウと白ブドウを混ぜたり、黒ブドウだけを使ったりした白ワインも生産されています。

代表的な白ワイン用の品種としては、以下のブドウが挙げられます。

シャルドネ

シャルドネは、フランスやアメリカといった世界各地で栽培されている、白ワイン用のブドウの代表的な品種です。

生産地によって風味は大きく異なりますが、基本的には酸味やコクのバランスが良く、癖の少ない味わいをしています。多くの方が楽しみやすい品種といえるでしょう。

ソーヴィニヨン・ブラン

フランス原産の白ワイン用のブドウです。白ワイン用の品種としてはシャルドネに次ぐ生産量を誇り、ニュージーランドやアメリカのカリフォルニア州など、世界各地で栽培されています。

酸味が強く、独特の香りを持つのが特徴です。生産地によって味が異なり、冷涼な地域のソーヴィニヨン・ブランは爽やかな味わいに、温暖な地域のソーヴィニヨン・ブランは柔らかい口当たりに仕上がります。

リースリング

リースリングは、主にドイツで生産されている白ワイン用のブドウ品種です。オーストリアやアメリカのニューヨーク州など、比較的冷涼な産地で栽培されています。

土壌や地質、気候など、その土地の風土の影響を受けやすく、産地によって味わいが大きく変わるのが特徴です。甘口や辛口、スパークリングワインなど、幅広いワインに仕上がります。

ピノ・グリ

ピノ・ノワールの変種で、イタリアでは「ピノ・グリージョ」と呼ばれます。グリ(グリージョ)は「灰色」という意味で、灰色っぽいピンク色や青紫色の見た目が特徴です。爽やかな風味の中に、コクや苦みなどが感じられます。

フランスのアルザス地方や、イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州が主な産地です。

ゲヴュルツトラミネール

イタリア北部やドイツ、オーストリア、フランスのアルザス地方など、冷涼な地域が主な産地です。「ゲヴュルツ」はスパイスという意味のドイツ語で、ライチのような香りに加えて、わずかにスパイシーな香りを持っています。

酸味が少なく、スパイシーさを感じられる味わいが特徴です。熟成させることで、甘い香りがさらに際立つようになります。

甲州

日本固有の白ワイン用のブドウ品種です。名前のとおり、山梨県が代表的な産地として知られています。生食もできますが、ワイン造りに使用するのが基本です。

豊かな酸味や香り、繊細な果実味などが特徴で、和食にもよく合います。

すっきりした飲み口の辛口ワインが主流ではあるものの、甘口のワインやオレンジワインなど、幅広い味わいを楽しめるのも魅力です。

ワインの特徴を知るには品種を知ることがポイント

醸造に使われるブドウの品種は、ワインの味わいや香りに大きく影響する要素です。主なブドウの品種を知っておけば、飲んだことがないワインでも、味を想像できるようになります。

ブドウの品種や特徴を覚えて、ワイン選びに役立ててみてはいかがでしょうか。

ブドウ品種以外のワインの違いについては、以下の記事で紹介していますので、併せてご確認ください。