【世界の産地シリーズ】第二弾オーストラリア

【世界の産地シリーズ】第二弾オーストラリア

世界一大きな島の広い国土から造られるオーストラリアワインの多様性

概要

オーストラリアワインの歴史は、旧世界(フランス、イタリアなど)に比べるとまだ浅く新世界(日本、チリなど)と称されます。広い国土にあるワイン産地は東西3,000kmに渡り点在しているため、様々な土壌特性をもち、多様性あふれるワインが生産されています。

代表品種と言えば、黒ブドウはシラーズ、白ブドウはシャルドネが有名です。また、広く浸透している理由の一つとしてお手頃なワインから高級ワインまで、有名な銘柄が認知されているのも挙げられるでしょう。

歴史

オーストラリアにワイン用のブドウが持ち込まれたのは1788年。ニュー・サウス・ウェールズ州の初代総督だった英国海軍アーサー・フィリップ大佐によってシドニーにワイン用ブドウがもたらされました。
これが今日の230年超にわたるワイン造りの記念すべき第一歩となりました。その後「オーストラリアのワイン用ブドウ栽培の父」と呼ばれるジェームズ・バズビーによって本格的なブドウ園が開設され、ワイン生産が広まっていきます。
90年代に入るとオーストラリアワインは大きなうねりと共に開花していきました。「シラーズ」がワインスペクテーター誌やロバート・パーカー氏が評価したお陰でアメリカを中心に国内外の評価が高まりました。

現在、オーストラリアで注目を浴びているのが新世代の若い造り手達を中心に巻き起こっている「ナチュラル・ワイン・ムーヴメント」。自然発酵で亜硫酸をごく少量あるいはまったく使わないで造られたワインで若い消費者を中心に人気を集め、日本にも積極的に輸出されています。批判を浴びている部分もありますが、オーストラリアのワイン文化に新しい側面を与えていることは間違いありません。

オーストラリアの主要産地

南オーストラリア州

〇南オーストラリア州

オーストラリアの中央に位置する南オーストラリア州。現在、オーストラリアワインの生産量の大半がこの州で造られる重要な産地として有名です。また世界最古のシラーズの樹が現在する産地でもあります。主要な産地として、アデレート周辺の6産地(バロッサ・ヴァレー、イーデン・ヴァレー、クレア・ヴァレー、アデレート・ヒルズ、マクラーレン・ヴェイル、ラングホーン・クリーク)が挙げられます。大規模生産者が多く、非常に良質のワインが生産されています。

西オーストラリア州

〇西オーストラリア州

西オーストラリア州はオーストラリア全体の2%程度の生産量に過ぎませんが、品質は国内トップクラスに位置付けられています。代表産地はマーガレット・リヴァーやグレート・サザンが挙げられます。この産地は開発当初から科学的根拠をもって計画が進んだ世界的にも珍しい産地です。

ニュー・サウス・ウェールズ州

〇ニュー・サウス・ウェールズ州

オーストラリアワインの産業起源でもある産地。発展から長らく産業の拠点でしたが、90年代以降は南オーストラリア州に重要拠点が移り始めてからは以前とは変わった位置づけになりました。しかしながら、今も根強い人気がある生産地域になります。中でも「ハンター・セミヨン」と呼ばれる辛口で長期熟成が可能な白ワインが有名。

ヴィクトリア州

〇ヴィクトリア州

沿岸部から内陸部までにワイン産地が広がるエリアで、色々な天候、土壌から就く在られるワインは正にオーストラリアワインを表現する多様性を表した産地と言えるでしょう。
冷涼産地として注目されるヤラ・ヴァレーではシャルドネやピノ・ノワールから上質なワインが造られています。モエ・エ・シャンドン社が造る瓶内二次発酵スパークリングワイン「シャンドン」の拠点拠点としても知られています。

タスマニア州

〇タスマニア州

上質のプレミアムワインや瓶内二次発酵のスパークリングワインで注目されている小さいながら大きな注目を集めている産地です。島全体は北海道の8割程度ととても小さく、その内の37%が「世界自然遺産」「自然保護区」に指定される人類の介入が許されていない手付かずの自然。

信濃屋オススメ オーストラリアワイナリー

Cullen Wines-カレン- / 西オーストラリア州(マーガレット・リヴァー)の画像

Cullen Wines-カレン- / 西オーストラリア州(マーガレット・リヴァー)

1960年代に行われた政府の研究調査でワイン用ブドウ産地として将来非常に有望との結果が出たマーガレット・リヴァー地区に1966年精神科医だったケヴィン・カレンと妻のダイアナ・カレンは土地を購入しブドウ栽培を始めました。西オーストラリアにおけるバイオダイナミック農法の第一人者。2000年にはカンタスワインメーカー・オフ・ザ・イヤー賞を女性として、又西オーストラリアのワインメーカーとして初めて受賞、2020年にはハリデー・ワインコンパニオン・アワードにてワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

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De BORTOLI-デ・ボルトリ- / ヴィクトリア州(ヤラ・ヴァレー)

1924年に北イタリアよりオーストラリアに移住したヴィットリオ&ジュセピーナ・デ・ボルトリにより、1928年に創業された4世代続いている家族経営のワイナリー。オーストラリアで最も権威ある評価本「Halliday WINE COMPANION」で最高評価である★★★★★(レッドファイブスター)に選ばれるデ・ボルトリ社。ブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタンでのワイン造りも行っていた醸造家であり、オーナーファミリーのスティーブ・ウェバーの鋭い感性により、オーストラリアトップクラスのワインが生み出されています。

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