スペシャル木樽熟成ボルドー5本セット

◆木樽熟成の効果とは？

ワインの醸造において重要な役割を果たす「熟成」ですが、実は木樽だけではなく、ステンレスタンクを用いた熟成もあります。ステンレスタンクでの熟成は木樽よりも温度管理などもしやすくコスト面でも優れています。

しかし、木樽での熟成にしか出せない効果もあります。例えば、木は樽に加工された後も呼吸を続けるため、木目から酸素が入り込みます。適度な酸素に触れることでワインの中の酸が変化し、香りや味わいに深みが増していくのです。

また、木樽の上質な香りがワインに移ることで、より複雑な香りへと変化し、ワインに個性を与えます。

さらに、赤ワインに多く含まれるアントシアニンの化学反応によりワインの色味も安定し、外観、香り、味わいともにワインのもつポテンシャルを引き出し、深みを与えてくれるのです。

◆格付けシャトーの樽

ワインの熟成に使用される樽ですが、その使用期間や使用方法は生産者によって様々です。

一般的には新樽と1度使用済みの樽を上手く使い分けて熟成を行いますが、1度使用した樽は長期間使用しないと悪影響がでることも。また、アメリカンオーク種の木材を使用したものでも1つあたり3～5万円ほどしますが、フレンチオーク樽は1つあたり10万円を超えるため、ワインに与える影響はもちろんですが、小さなシャトーでは質の高いブランド樽の購入が難しいことも少なくありません。

一方で経済力を備えた格付けシャトーでは、高品質の樽を購入できる他、専門の樽職人を雇い、シャトー内で樽の組み立て、焼き付けを行うところもあるそう。品質にバラつきがでないよう、コストをかけてでもたった1人の職人に依頼するところもあるのだとか。

小さなシャトーの中には、こうした格付けシャトーで使用された質の高い樽を譲り受けることでコストを抑えつつも質の高いワインを造る生産者がいるのです。

1850年代にベルナール・アルドアン氏によって作られたシャトー・カップ・サン・マルタン。現在は5代目となるベアトリス氏とピエール氏が伝統を大切にワイン造りを行っています。

ブライ・コート・ド・ボルドー地区に位置する粘土石灰質土壌の畑でブドウを育てています。

ブドウは収獲の段階で未熟のものや不要な部分を取り除き、ルモンタージュ（果房管理）を1日に2回行うなど、手間や時間をかけて丁寧にワイン造りを行います。熟成は50％をステンレスタンクかコンクリートタンクで、残りの50％をオーク樽で12ヵ月間行います。

澱引きは日々テイスティングをして行われており、『ワイン・エンスージアスト』で90点を獲得するほど品質の高い1本です。

熟成には、ボルドー、サンテミリオン・グラン・クリュのシャトー・フォンブロージュや、グラーヴ格付けに選ばれ、数々の好評価を受けるシャトー・パプ・クレマンでも使用された樽を使用。芳醇な果実味とスパイシーなアロマに樽香が調和し、力強くも丸みのある味わいが特徴のワインに仕上がっています。

1946年にジョージ＆モニカ・ティエンポン夫妻によって15世紀のシャトーを修復して作られたシャトー・ピュイゲロー。

1983年にティエンポンの名を冠した最初のヴィンテージが造られてから代々ワイン造りが行われ、2009年からは二コラ氏と息子のシリル氏がワイン造りを行っています。

ティエンポン一家はかの有名なル・パンを所有する他、サンテミリオン第1特別級に選ばれているシャトー・デュカスやシャトー・パヴィ・マカンでもワイン造りを行う実力派生産者です。

ブドウ畑はサンテミリオンまで続くドルドーニュ渓谷を見下ろす台地にあり、粘土石灰質土壌、泥灰土、粘土が入り混じる土壌が特徴です。コンクリートタンクと木樽で熟成しています。

熟成には、2006年のサンテミリオンの格付けで第1特別級Bに昇格し、以降高い評価を獲得しているシャトー・パヴェ・マカンの樽を贅沢にも使用しています。果実味を活かしたフレッシュなスタイルのワインに仕上がっており、熟成のポテンシャルも持ち合わせた1本です。

1988年に二コラ・ティエンポン氏によって取得されたシャトー・トゥール・ド・ビゴル。

こちらもシャトー・ピュイゲローと同じくかの有名なル・パンを所有する他、サンテミリオン第1特別級に選ばれているシャトー・デュカスやシャトー・パヴィ・マカンでもワイン造りを行う実力派生産者、ティエンポン一家が手掛けています。

コート・ド・フランの上質な粘土質土壌で、手作業により芽や葉の除去を行い、徹底的な土壌管理にこだわっています。ワインは区画ごとの醸造を経た後、コンクリートタンクと、2種類の木樽を使用して熟成を行います。

熟成には、2006年のサンテミリオンの格付けで第1特別級Bに昇格し、以降高い評価を獲得しているシャトー・パヴェ・マカンの樽を贅沢に使用しています。メルローを100％使用したこちらのワインは、芳醇な果実味が特長で、しなやかで表現力豊かな仕上がりです。

シャトー・プティ・ボイエでワインを手掛けるのは、2006年に33歳の若さで『MEILLEUR JEUNE TALENT DU VIN』（メイユー　ジュンヌ　タロン　デュ　ヴァン）の称号を獲得した経歴を持つジャン・ヴァンソン・ビドー氏。

他にも数々のコンクールで金賞を獲得する他、『ギッド・アシェット』誌にも掲載される注目の生産者です。

また環境に配慮したワイン造りにも注力し、HVE3認証を獲得しています。そんな実力派生産者が手掛けるこちらのワインは、泥灰質土壌の平均樹齢35年のブドウを使用。最適な温度管理のためステンレスタンクで発酵を行った後、フランス産のオーク樽で6ヵ月間丁寧に熟成を行います。

熟成に使用するのはかのロバート・パーカー氏も「現在世界中の注目を集めている」と評価している注目のシャトー、シャトー・テルトル・ロートブッフで使用されていた木樽。出来上がるワインは繊細な樽香が果実味やタンニンと見事に調和した、複雑味も感じる1本です。

2010年にベルナール氏とダヴィッド氏によって設立されたシャトー・ピュイ・ガランは、サンテミリオンの東10キロメートルほど離れたところに位置するシャトーです。

代々ワイン造りが受け継がれ、2010年に4代目のダヴィッド・ラバチュ氏がワイン造りに加わってから、4ヘクタールのブドウ畑が23ヘクタールまでに拡大し、より質の高いワイン造りを行っています。

2014年にはボルドーで開催されるコンクールにて金賞を受賞するなどワインの質の高さが認められる一方で、2021年にはブドウ畑を有機栽培に転換するなど、常に新たな挑戦を続けている生産者です。ブドウは丁寧に手作業で選果された後、12ヵ月じっくりと木樽で熟成されます。

熟成には、サンテミリオン格付けで最高位である特別級Aに選ばれたシャトー・アンジェリュスで使用された樽を贅沢に使用しています。熟した果実味と緻密なタンニンが溶け込んだボルドーの伝統的な1本です。