2023.04.17

特に海外では要注意!
クレジットカードのスキミング被害に遭わないために

「海外では日本にいる時以上に防犯意識を持たなければいけない」という話をよく聞きます。
置き引きや盗難などは、自分の荷物をしっかり管理することで被害を防げます。
しかし近年では、直接的に物品を盗るのではなく、クレジットカードの情報だけを盗み取る「スキミング」という犯罪が増加しているので注意が必要です。
今回は、スキミング犯罪の説明と対応策をご紹介します。
(2017.12.26初稿掲載・2023.4.18更新)

スキミングの犯罪手口は、「接触型」と「非接触型」の2種類

まずはスキミング犯罪について理解しておきましょう。簡単に言うと、クレジットカードそのものを盗むのではなく、「情報」を盗み取って金銭を奪うのがスキミング犯罪です。盗んだ情報を悪用し、ネットショッピングで勝手に買い物したり、偽造クレジットカードをつくったりして、カードの持ち主に金銭的な被害を与えます。

スキミングには「スキマー」と呼ばれる機器が使われ、クレジットカードの磁気に記録されている情報を読み取ります。その方法は以下の2つです。


【接触型】

ATMやカード決済端末のカード挿入口にスキマーを取り付けたり、店舗などでカード払いする際に悪質な店員がスキマーを使ったり、クレジットカードに接触して情報を抜き取ります。


【非接触型】

磁気や電波などを悪用した特殊なスキマーを使って、クレジットカードに直接触れずに情報を抜き取ります。例えば、混雑した公共交通機関の中や街中などで、カバンにスキマーを近づけてクレジットカード情報を盗む手口です。


ホテルなどでも要注意!知らぬ間にスキミングされているかも!?

スキミング犯罪は、クレジットカードそのものを持ち去る必要がなく、スキマーで情報だけを抜き取ればよいので、数秒あれば完了します。また、スキミングされたその場では被害にあったことがわかりづらく、後日クレジットカードの利用明細を見て、身に覚えのない買い物があることに気づいて初めて被害にあったことを認識します。海外から帰国した後や不安な場合は、こまめに利用明細を確認することをおすすめします。


<気づかぬうちにスキミングされた例>

  • 宿泊しているホテルの客室にクレジットカードを置いたまま外出。カードはそのまま残っていたが、スキミングが行われていた。
  • 貴重品ボックスに入れていたが、開けられてスキミングされていた。
  • マッサージ店やスポーツジムなど荷物を預ける必要がある店舗や施設で、カードが抜かれてスキミングされた。

スキミング犯罪にあわないための対策

防犯意識をしっかり持ち、対策していれば、スキミングによる被害は未然に防げます。


【接触型スキミング対策】

  • スキマーがないか確認。カードから目を離さない。成りすましに注意。
    ATMを使う際には、カード挿入口にスキマーが取り付けられていないかを確認しましょう。非常に精巧で違和感なく付けられているので、注意が必要です。
    店舗では、対面で決済してもらうのが基本です。店員にクレジットカードを預けるのは、できるだけ避けましょう。店の奥など、目が届かないところにカードを持って行かれそうになったら要注意。買い物をやめた方が安全かもしれません。
    中には、店員に成りすました犯人がカードを受けと入り、目の前でカード決済端末に似せたスキマーを使ってカード情報を盗み取るケースや、警察官を装ってカードを預かってスキミングを行うケース、店舗と犯人グループが組んで行う極めて悪質なケースなどもあるので気を付けましょう。
  • 暗証番号も知られないように注意。
    また、ICチップ付きのクレジットカードで暗証番号を入力する際は、暗証番号を見られないように手元を隠して入力することが望まれます。ATMでは、不自然な位置に監視カメラが設置され、暗証番号を入力する手元を撮影しているケースもありますので、不審なカメラの有無も確認しましょう。

【非接触型スキミング対策】

  • スキミング対策グッズの活用。
    磁気や電波を遮断する機能があるものの中にクレジットカードを保管していれば、非接触型のスキミング犯罪を回避できます。非接触型のスキミング対策が施されたカードケースや財布、バッグなどが市販されていますので、それらを利用すれば安心です。
    そのほかのスキミング防止策としては、不要あるいは利用機会の少ないクレジットカードは持って行かないこと。暗証番号を推測されにくいものに設定することも有効です。カード会社によっては、暗証番号の変更が簡単にできる場合もあります。何か問題が起きたときはもちろん、簡単に変更できるなら、定期的に暗証番号を変えてもいいでしょう。

スキミング被害に遭ったら、速やかに連絡を

もし、身に覚えのない買い物や高額の支払いなどが見つかったら、スキミングによるクレジットカードの不正利用の疑いがあります。速やかにカード会社に連絡しましょう。カード会社およびカードの種類などに応じて、被害額の補償が適用されるケースもあります。ただし、クレジットカードの持ち主に何らかの過失があると補償対象とならない場合もあるので、事前に約款などを確認しておきましょう。