シャトー案内
17世紀中頃イギリスで初めて、【オー・ブリオン】がシャトーの名を冠して人気を博したのを機に、グリュオー神父がワインを造りだしたのが、このシャトー・グリュオー・ラローズの始まりでした。1855年の格付けで2級とされるずっと以前から、素晴らしいワインを造るシャトーとして広く知られていました。
サンジュリアン村の中でも、ジロンド川から離れた内陸側の丘の上にある畑は、2級シャトーの中でも最大級の広さを誇ります。この畑の長所は、高い海抜のため砂利の層が厚く水はけが良いことと、風化や土地の隆起の影響で土壌の構成がとても多彩になっていること。そんな優れた土地に、平均樹齢43年を誇る立派なブドウの樹が植えられてます。
畑には、上空で雹(ひょう)の発生を防止する機械を設置してあったり、200万ユーロもの大金を投じて、光合成促進のために樹を10cm高くする改良が行われたり、醸造工程にも様々な技術が取り入れて積極的な改革を続けています。
ワインは、程よくスパイシーで野生的なニュアンスを感じる香りと、凝縮した果実味に定評があり、一貫して高い品質を維持しています。
また、“サンジュリアンで最も重々しい”と評されるほど、逞しいタンニンを持つので、まさにヴィンテージワインがオススメです。秀逸な年の多い80年代のワインは、今まさに飲み頃を迎えています。偉大な年には1級相当の品質となり、50年の熟成にも耐えるワインなだけに、いい年のものであれば70年代の物でも十分飲み頃として楽しめることでしょう。