シャトー案内
2級ではあるが、品質は1級に劣らない”という意味で「スーパーセカンド」という言葉がよく聞かれるようになりました。シャトー・デュクリュ・ボーカイユーは、同じサンジュリアンにある“レオヴィル・ラスカーズ”と並んで、スーパーセカンドの代表的なシャトーとして高い人気を誇ります。
このシャトーは、1720年からベルジュロン家の所有となり、評価が急速に高まりました。1795年にベルトラン・デュクリュ氏がオーナーとなり、それまで畑の名前であった「ボーカイユ(=美しい小石)」から、自身の名前を付け加え「デュクリュ・ボーカイユ」となりました。醸造施設改修や畑の改良などを行った結果、クオリティーが劇的に向上し、1855年のメドック格付け制定では第2級に選ばれました。
畑はサンジュリアンの中でも川に近い場所に位置している為、川の恩恵を十分に受けています。川は夏の暑さ、冬の寒さを和らげ、雹や霜の被害も最小限にしてくれます。小石が多いため、水はけが良く、石による照り返しはブドウの成長の助けとなります。程よく豊かすぎない土壌でもあり、根は6 メートル近く地中深く伸びていきます。75ヘクタールの畑には、カベルネ・ソーヴィニヨンが70%、メルローが30%植えられています。
“エレガントでバランスが良く、気品が漂う”と評されることが多いデュクリュ・ボーカイユー。 華やかで卓越したスタイルで有名で、20年近い月日を経た2002年は、エレガントなスタイルに、甘く熟した果実やタールのヒントを感じられます。スーパーセカンドの中でも、最もコストパフォーマンスが高いと言われているだけに、上質なワインをお手頃価格で味わいたいという方には注目のシャトーです。
WA:92点 予想される飲み頃:2020 - 2032年
深いガーネット色をした 2007 年のデュクリュ ボーカイユーは、
カシスやプラムのコンフィ、森の下生え、落ち葉、レザー、乾燥した桑の実、
鉄鉱石のノートに加えて炭のアロマがある。
ミディアムボディで、噛みごたえのあるタンニンとフレッシュさ、
しっかりとした骨格を持ち、土を思わせる豊かな風味が
長い余韻へと繋がっていく。
『August 2020 Week 2, The Wine Advocate』抜粋訳