スペイン
ブドウ栽培面積は世界1、ワインの生産量では世界第2位を誇る世界有数のワイン生産国、スペイン。ブドウ栽培において長い歴史を持つ国ですが、実は様々な民族文化の影響を受け長い間ワイン造りが停滞していた時期もありました。しかし国土回復運動やアメリカ大陸発見、さらには大航海時代を経て、今再び活気を取り戻しています。各地で様々なタイプのワインを産出し、固有品種が多く現存しているのも特徴の1つ。スペイン北部に位置するリオハで造られました。
南北を2つの山脈に挟まれ、それによる独特の気象条件や土壌から、ワイン造りには最適な環境であると言えるでしょう。さらに原産となるテンプラニーリョは「早熟」を意味し、果実味や酸味が強く長期熟成に向く品種でもあります。生産者であるC.V.N.Eは1879年にリオハのアロという町でレアル・デ・アスア兄弟によって設立され、現在もその子孫によって経営されています。
現在は4つのワイナリーから構成されていますが、設立からわずか10年余りでバルセロナやパリ、アントワープの国際展示会で金賞を獲るなど、当初からその活躍ぶりは目を見張るものがありました。1994年には設立者である兄弟に敬意を表した「レアル・デ・アスア」が誕生し、140年以上続く歴史の中で今も進化、成長、革新が遂げられ、その輝きは留まることを知りません。
レアル・デ・アスア
ビラルバのカロマザ農園で栽培されたブドウを使用したワインです。海抜600mに位置するこのドメーヌは、冷涼で風の強い大西洋性気候に囲まれているにもかかわらずシエラ・デ・カンタブリア山脈の斜面のおかげでブドウの大敵である霜をものともしない好立地。マロラクティック発酵はフレンチオークの新樽で行われ、その後は12月初旬に樽(新樽、単式樽)に移し替えられます。
JS:97点
“しっかりとした軽く噛みごたえのあるタンニンを持つ、フルボディの熟した素晴らしい赤ワインだ。チェリー、ドライフラワー、ココナッツ、ローズマリーのアロマがたっぷりと香る。ラベンダーや白いバラのヒントも感じられる。しっかりとした骨格があり、フィニッシュは引き締まったフレッシュな味わい。~中略~2025年以降に飲むのもおすすめだ。”
『Sunday, November 20, 2022 JAMESSUCKLING.COM』より抜粋訳