リルベール グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン NV

クラマン伝統のシャンパーニュを残す稀少な生産者

「リルベール」は1746年からコート・デ・ブランでブドウ栽培を行ってきた老舗です。現在の当主は5代目の「ベルトラン・リルベール」です。彼らが所有する畑は、すべてグラン・クリュに属しています。本拠地はクラマンで、さらにシュイィとオワリーの2つの村にも畑を所有しています。コート・デ・ブランのグラン・クリュ畑は価格が高騰しており、RM生産者がグラン・クリュのみのブドウでワイン造りを行えるのは非常に珍しいことです。

「クレマン・ド・ブルゴーニュ」の「クレマン」が「クラマン」に由来するとの説もあります。「クラマン」では伝統的に軽いガス圧のシャンパーニュが造られ、これを「クレマン・ド・クラマン」と呼んでいました。この伝統は「クラマン」に特有のものでした。

通常のシャンパーニュは6気圧以上ですが、彼らの「ブラン・ド・ブラン・ブリュット・ぺルル・グラン・クリュ」はわずか4気圧。これは、1気圧の泡を得るには4gの糖分が必要であり、通常は24gの糖分が加えられますが、ブリュット・ペルルはわずか16gしか加えないため、自然と弱い発泡となるのです。1980年代には「クレマン・ド・クラマン」として販売されていたこの伝統的なシャンパーニュでしたが「クレマン」の表記が禁止されたため、キュヴェ名を変更する必要がありました。その結果「キュヴェ・ペルル」と名付けられ、細かい泡の様子から真珠を意味しています。このクラマン伝統のシャンパーニュを守り続けている生産者は、ピエール・ペテルス、ギィ・ラルマンディエ、そしてリルベールの3軒のみです。

このキュヴェは、グラン・クリュのクラマンを主体にオワリィとシュイィをブレンドし、コート・デ・ブランらしい個性を追求しています。ステンレスタンクで区画ごとに発酵を行い、畑から採取した酵母をスターターとして使用しています。熟成には古いバリックとステンレスタンクを併用し、36ヶ月の瓶内熟成を行っています。リザーブワインが50％含まれており、完熟感とコート・デ・ブランらしいミネラル感が味わえます。