2022.09.24

海外への旅行や出張の際は要確認!機内持ち込みが制限される食品

海外へ行く際、日本から食べ物を持っていくという方もいらっしゃるでしょう。「日本食を食べたくなった時のため」「小腹が空いた時のため」「現地の人に和食を食べてもらうため」など、さまざまな理由があるでしょうが、国際線の飛行機内に持ち込みできない/制限のある食品もあります。国際線機内に食べ物を持ち込む際の注意点などをまとめましたので、参考にしてください。(2019.02.01初稿掲載・2022.09.24更新)

食料・食品を国際線の機内に持ち込む場合に注意すべきポイント

缶詰・瓶詰やレトルトパック食品などは機内持ち込み不可のものがある

どのような食品が機内持ち込みの制限を受けるのか、主なものを挙げてみましょう。

  • カレーやシチュー、雑炊、リゾット、スープなどのレトルトパックや缶詰
  • プリンやヨーグルト、ゼリー、ゼリー飲料など
  • 漬け物や佃煮、塩辛など
  • サバの味噌煮やおでんなどの缶詰やパック
  • シロップ漬けのフルーツなど缶詰や瓶詰
  • ジャムやはちみつなど
  • マヨネーズやドレッシング、味噌 など

※容量およびパッケージ方法によっては機内持ち込み可能なものあり。


例えば、「吸って食べるゼリー状食品(ゼリー飲料)」は手軽に栄養補給ができて便利です。しかし、ちょっとお腹が空いた時や、機内食が口に合わなかった時などに食べようと考えていても、国際線では機内持ち込みができないので注意が必要です。


では、なぜこれらの食品類が、国際線では機内持ち込みの制限を受けるのでしょうか?以下で説明しましょう。


「液体」とみなされる食品は、機内持ち込みが制限される

国際線の飛行機では、“液体”の機内持ち込みに対して、厳しい制限が取られています。本サイトでも、『知っておきたい「機内への液体持ち込み制限」。特に、国際線の化粧用品持ち込みは要注意』で紹介しているように、飲食物に限らず化粧品などの液体は、100mlまたは100gの容量以下の容器に入れた上で、それらすべてを容量1リットル以下の再封可能な透明プラスチック袋(ジッパー付きのプラスチック袋などで、縦横合計40cmが目安)に収納しなければならず、その袋は1人1つまでという、国際的な規定があります。

前述の食品類は、水分が多く含まれていたり、液状に変化したりするため、「液体」としてみなされます。したがって、上記の規定に沿ってパッケージされていれば飛行機の客室内に持ち込めますが、個別の容量が条件を超えていると、保安検査場で放棄しなければなりません。


100ml以下であれば機内持ち込み可能

前述のレトルトパック、瓶詰、缶詰の食品、その他の容器に入った食品や調味料類で、液体の機内持ち込み規定を超える容量のものは、機内には持ち込めません。持ち込むならば、100ml以下の容器に詰め替える必要があります。

市販の状態のままで100mlまたは100gの容量以下の食品や調味料類は、容量1リットル以下の透明なジッパー付きのプラスチック袋に入れておけば機内持ち込みが可能です。ただし、その袋は1人1つに限られるので、歯磨き粉や化粧品などの液体も機内に持ち込むのであれば、それらすべてを一緒に入れておかなければなりません。


【参考:食品や調味料を国際線の機内に持ち込む際のパッケージ例】

※わさびなどのチューブ入り調味料の内容量は40-43g、缶詰は内容量70g。


ちなみに、容器の未開封/開封済みは関係ありません。例えば、未開封状態で内容量が150gのマヨネーズで残量が70gだったとしても、容器の容量が100ml(100g)を超えているため、機内持ち込みはできません。


乳幼児の食品は機内持ち込みできる

離乳食期の乳幼児を連れて海外へ行く場合、レトルト離乳食など水分の多い乳幼児用の食べ物を機内に持ち込みたいケースがあるでしょう。その場合、ほとんどの航空会社では検査員に申告することで、機内で必要な量であれば持ち込みを許可されます(あくまでも乳幼児が同乗することが前提)。

その他、病気などで特別な食事が必要な場合も、検査員に申告すれば(処方箋のコピーなどを確認するケースもあり)、機内で食する量に限って機内持ち込みが可能です。該当する方は事前に利用航空会社などに確認しておくと安心です。


機内持ち込みではなく、空港で手荷物として預ければOKのものがほとんど

機内への持ち込みに制限がある食品であっても、スーツケースなどに入れて、空港の手荷物カウンターで預け手荷物にすれば持っていけるものがほとんどです。液漏れしないようにしっかりパッキングして、スーツケースに入れましょう。

例えば、レトルト食品や缶詰など(液体物とみなされるもの)はスーツケースに入れて、手荷物として預ければ海外へ持って行けます。機内で食べる必要のないものは、機内に持ち込まずに預けましょう。もし、梅干しや漬け物などを機内で食べたいのであれば、前述のように、液体を機内持ち込みする場合と同様のパッケージ方法で収納していればOKです(ニオイなど、周囲の迷惑にならないよう気を付けましょう)。ただし、あらゆる飲食物の機内持ち込みができない航空会社や、国の規定などによって特定の食品を持ち込めない場合もあります。

また、機内には持ち込めても、到着地(入国する国や地域)に持ち込みが禁止されている食品もあります。例えば、ミカンやバナナなどを機内に持ち込んだ場合(保安検査場で機内持ち込みを許可されないケースもあります)、着陸するまでに食べてしまうことが望ましいでしょう。

特に生の果物や野菜、肉類などは、動物検疫所による検査証明書がなければ、国外に持ち出すことができません(渡航先の国が動物検疫上の検査証明書を必要とする対象物の場合)。ハムやソーセージ、ベーコンといった加工肉のほか、肉まんなども対象となります。これらは、海外から日本に持ち込む際も同様で、機内持ち込み・預け手荷物を問わず検疫所による検査が必要です。

・農林水産省Webサイト: 動物検疫所 肉製品などのおみやげについて(持ち出し)


念のため、利用する航空会社および渡航する国や地域の情報を事前に確認しておくと安心です。


なお、おにぎりやスナック菓子、乾物などは、容量に関係なく国際線の機内に持ち込めます。また、保安検査場で手荷物検査を済ませた後に空港内で購入した缶詰や瓶詰の食べ物・飲み物は、100ml以上でも機内持ち込みが可能です。ただし、乗り継ぎがある場合は、乗継国で放棄しなければならないこともあるので、事前に確認することをおすすめします。


※紹介した内容は、記事作成時点(2022年9月)のものです。機内持ち込みや預け荷物の制限については、随時変更が加えられます。ご利用の航空会社や国土交通省からの情報をご確認ください。