A.R.ルノーブル ブリュット・ナチュール・マグ 17

マグナムボトルで熟成されたリザーブワインを使用した贅沢な造り

長女のアンヌが社長を務め、家族経営のメゾンで急成長を遂げ、フランス国内で注目されています。アンヌの弟で、栽培と醸造に精通し、メゾンで長く働いてきたアントワンヌは、栽培と醸造を担当しています。この家族経営のメゾンは、第一次世界大戦中に、アルザスから母方の実家であるシャンパーニュに逃れてきたドイツ系の一族によって創設されました。彼らは、1915年にワインの販売を仕事として生計を立てていました。1920年、アルマン・ラファエルはシャンパーニュの生産を開始しました。当時は終戦直後であり、ドイツ系の名前を避ける必要がありました。そのため、彼はARルノーブルと名乗りました。"AR" は彼自身のイニシャルであり、"ノーブル" は気品のあるワインを造るという意味が込められています。シャンパーニュは大資本が入っているメゾンが多い中、一切の出資を受けず独立している珍しい家族経営のメゾンです。

伝統的なコカールでの圧搾後、原酒はステンレスタンクで比較的低い温度で発酵されます。また、一部の原酒は大樽や古いバリック（樽）で発酵されます。全ての原酒は、区画ごとに細かく分けられて醸造されます。具体的には、200個の古いバリック、9個の大樽、およびステンレスタンクに原酒が分けられ、それぞれの区画で発酵が行われます。この方法により、様々な個性を持つ原酒が生み出され、それらをブレンド（アッサンブラージュ）することで、複雑な風味や奥行きを実現します。

リザーブワインも特筆すべき特徴を持っています。そのほとんどはマグナムボトルに詰められ、コルク栓をしてセラーで寝かせられます。毎年、5,000本が詰められるため、5年間で25,000本が熟成中というのは驚くべきことです。「Mag」という文字が記載されているシャンパーニュには、マグナムボトルで熟成されたリザーブワインが使用されています。これらのワインは以前よりも明らかに深みが増しており、その変化を感じることができるはずです。

ブリュット・アンタンスと、ほぼ同じベースワインを使用しています。そのうち20%は、すべてグラン・クリュ「シュイィ」のブドウから生産されるシャルドネです。ピノ・ノワールは「ビスイユ」ピノ・ムニエは「ダムリー」を使用しています。リザーヴワインは、マグナムボトル（コルク栓）、フードル、バリック、ステンレスタンクの4種類の熟成方法を採用しています。リザーブワイン（マグナムボトル熟成主体）を35%程度ブレンドすることで複雑味を増しています。さらに、シュール・リーでの熟成期間を48ヵ月と、他のキュヴェよりも1年間長くしています。これにより、ノン・ドサージュでも厚みを感じるほどの構成力を備えています。また、48ヶ月以上の瓶内熟成により、旨味が強調されています。