海外旅行や出張の際、もっとも起こってほしくないのが“ロストバゲージ”。
帰国時ならまだしも(それも困りますが)、日本からの出国便が現地空港に到着して自分のスーツケースが行方不明…という状況になると、その後の予定は台無し。
さらに、旅先で嫌な気持ち・不安な気持ちで過ごすことになります。
今回は、空港でロストバゲージに遭った時に行う手順や対処方法をご紹介します。
(2018.06.15初稿掲載・2023.05.10更新)
ロストバゲージとは、飛行機に搭乗する前に出発地の空港で預けた荷物が、目的地の空港に到着した際に受け取れないこと。遅れて受け取れる(ディレイ)場合がほとんどですが、数時間後~数日後、あるいは数週間後というケースもあります。旅行や出張中には出てこず、日本に帰国してから「見つかった」という連絡がくることも。また、いつまで経っても荷物が見つからない・戻ってこない、紛失(完全ロスト)という最悪の事態もあります。
なぜそんなことが起こるのか? ロストバゲージが発生してしまう理由の主な例を見てみましょう。
<ロストバゲージの発生原因例>
目的地の空港のターンテーブル(荷物引取所)で待っていても、最後まで預けた荷物が出てこなかった場合、ロストバゲージが発生していることが考えられます。以下の手順で対処しましょう。なお、航空会社によって、多少異なる場合があります。
【1】到着地空港で、利用した航空会社のスタッフまたは荷物引取所(バゲージクレイム)のカウンターに、荷物が出てこないことを知らせる
この時、荷物預け時に受け取ったタグや航空券(半券)などが必要です。また、預けた荷物の色や大きさ、特徴などを聞かれる場合もあります。スーツケースの特徴をメモしておくか、スマホで写真に撮っておくなどすればスムーズでしょう。この段階で、現在荷物がどこにあるのかが判明すれば、数時間~数日後には荷物を受け取れる可能性があります。
【2】荷物捜査のための書類に必要事項を記入する
預けた荷物の色や大きさ、特徴のほか、荷物が見つかった際の連絡先や届け先(滞在ホテル・自宅など)などを、所定の用紙(手荷物紛失証明書)に記入します。控えを受け取り、失くさないように保管しましょう。
【3】航空会社の補償を確認する
預けた荷物の中には、着替えなどの旅先での生活必需品が入っていることがほとんどでしょう。荷物が手元に届くまで数日かかる場合や、その場では荷物の行方が分からず、捜査に時間がかかる場合などは、航空会社が旅行中の生活必需品購入代金の補填など、何らかの補償を行ってくれるケースがあります。ただし、補償内容は航空会社によって異なります。荷物が遅れて到着するディレイドバゲージの場合は補償がなく、紛失(完全ロスト)の場合のみ補償されるということもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
【4】旅行保険会社やクレジットカード会社などに連絡する
旅行保険に加入していて、ロストバゲージに対する補償が含まれている場合、念のために補償内容などを確認しておくと安心です。また、クレジットカードによっては、海外旅行保険が自動付帯していてロストバゲージ補償がついているものもあります。渡航前に保険の内容を確認しておきましょう。
旅行保険およびクレジットカードのロストバゲージ補償についても、ディレイドバゲージの補償がある場合とない場合があります。
ロストバゲージ被害を未然に防ぐために、でき得る対策を講じておくことも望まれます。
世界中の飛行機の乗客1,000人に対して、ロストバゲージが発生する件数は5-6件と言われています。もしもに備えて、到着してすぐに使いたいものや最低限の着替えは機内持ち込み手荷物にしておくなど、ロストバゲージ対策を取っておくのも有効です。
できれば遭遇したくないロストバゲージですが、対処法を知っておけば、遭遇時にも落ち着いて行動できるでしょう。