シャトー案内
メドックの主要地区で最北部にあるサンテステフの中で、常に最上のワインを造ってきているのがシャトー・モンローズです。かつて、その土地がヒースに覆われた荒野だった頃、開花すると一面が薔薇色に染まったことから、モン(山)ローズ(薔薇)と名付けられたとか。
畑は、眼下にジロンド川が見渡せる高台にあり、寒い時期にも川の反射熱により暖かく保たれるため、春先の霜の害も受けにくくなっています。また、砂利の下に石灰を多く含む粘土層があるという特殊な土壌も、上質のメルローを生み出すことに一役買っているのです。このため、メドック地区よりも右岸のワインが高く評価されるような年であっても、シャトー・モンローズは高く評価されることが多いのです。
ワイン造りに関しては、いたって伝統的な手法を守っています。流行の手法など「試したこともない」のだとか。立地条件と土壌の良さを信頼している証拠だと言えるかもしれません。
【ラトゥール】と並んで、“最も晩熟なワインの一つ”とされていましたが、1970年代後半から、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を減らして、メルローを増やし、従来よりも軽いスタイルへと変えていきました。しかし、86年以降は、再びモンローズらしい力強いスタイルに戻し、まさに“超大作”とも言われるワインを生み出してきています。
年によっては、1級シャトーと同格、もしくはそれを超える評価をされ、50年の熟成にも耐えるモンローズのワイン。ぜひオールド・ヴィンテージのワインでその実力を確かめてみてください。専門家たちは、ほんの5kmしか離れていない【ラトゥール】のワインとの比較を楽しみにしていると言いますから、その飲み比べも試してみたいものです。